民法等2−3 売買の契約不適合と売主の担保責任等
【売買の契約不適合と売主の担保責任等】
売買の契約不適合
購入した家が欠陥住宅だった場合、契約不適合と言える
(支払った代金に対して、目的物が見合っていない)
売主の担保責任等
売主がどこまで責任を負うか
買主は売主に対してどこまで責任を求めることができるか
これを定めたものが「売主の担保責任等」
【種類・品質に関する契約不適合】
種類や品質に問題があって、支払った金額と見合っていない状況が起きたとき
(隠れたる瑕疵があった場合)
<買主が売主に対して求められる責任>
善意 | 悪意 | |
---|---|---|
損害賠償請求 | ○ | × |
解除 | ○ ※目的不到達の場合 | × |
代金減額請求 | × | × |
責任追及の期間制限 | 知った時から1年 | × |
売主A 買主B
・BはAから家を買った
・屋根に穴があいていて雨漏りがする
BはAに対して履行の追完を請求できる→追完請求権
(屋根を補修してください、代替物を引き渡してくださいと請求できる)
※契約不適合についてAに責任がなくても(責めに帰すべき事由がなくても)、買主Bは追完請求権を行使できる
※売主Aは買主Bが請求した方法とは違う方法で、履行の追完をすることができる
(買主Bの負担にならない内容なら、代わりの方法を採用しても良い)
??雨漏りの原因を作ったのが買主Bの場合は??
買主Bの責めに帰すべき事由がある場合は、追完請求をすることは当然ながらできない
売主A 買主B
・BはAから家を買った
・屋根に穴があいていて雨漏りがする
??BはAに対して追完請求をしたが、Aが何もしてくれなかった場合は??
⬇︎
Bが相当の期間を定めて履行の追完の催告をしたが、Aがその期間内に履行の追完をしなかった場合、BはAに対して代金の減額を請求することができる
※契約不適合について売主Aに責めに帰すべき事由がなくても、Bは代金減額請求ができる
(売主の責めに帰すべき事由は、代金減額請求の要件ではない)
・催告なしに直ちに代金の減額請求ができる3パターン
1 履行の追完が不能であるとき
不能ということは、いくら時間を与えても意味がないということ
催告する意味がないので、直ちに減額請求ができる
2 売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき
売主本人がやる意思がないので、催告する意味がない
3 契約の性質or当事者の意思表示により、特定の日時または一定の期間内に履行しなければ、その契約の目的を達成することができない(定期行為)場合に、売主がり履行の追完をしないで、その期間を経過したとき
この場合も催告に意味がないので、直ちに減額請求できる
※契約不適合が買主Bの責めに帰すべき事由のときは、もちろん代金の減額請求はできない
買主が契約不適合を知った時から1年以内に、その旨を売主に通知しないときは、買主はその不適合を理由として、履行の追完請求をすることはできない
(1年以内に請求しないと、請求する権利がなくなる)
※売主が引き渡しの時にその不適合を知っているか、または重大な過失によって知らなかったときは、この期間の制限を受けない
(売主が悪意、または有過失の時、1年経過しても請求できる)
【数量に関する契約不適合】
坪単価10万円で100坪、代金1000万円の表示だが、実際は90坪しかなかった
数字が合わない、数が合わないといった問題に対して、買主はどのような主張ができるか
<買主が売主に対して求められる責任>
善意 | 悪意 | |
---|---|---|
損害賠償請求 | ○ | × |
解除 | ○ ※目的不到達の場合 | × |
代金減額請求 | ○ | × |
責任追及の期間制限 | 知った時から1年 | × |
BはAに対して履行の追完を請求できる→追完請求権
※契約不適合についてAに責任がなくても(責めに帰すべき事由がなくても)、買主Bは追完請求権を行使できる
※売主Aは買主Bが請求した方法とは違う方法で、履行の追完をすることができる
(買主Bの負担にならない内容なら、代わりの方法を採用しても良い)
買主Bの責めに帰すべき事由がある場合は、追完請求をすることは当然ながらできない
Bが相当の期間を定めて履行の追完の催告をしたが、Aがその期間内に履行の追完をしなかった場合、BはAに対して代金の減額を請求することができる
※契約不適合について売主Aに責めに帰すべき事由がなくても、Bは代金減額請求ができる
(売主の責めに帰すべき事由は、代金減額請求の要件ではない)
・催告なしに直ちに代金の減額請求ができる3パターン
1 履行の追完が不能であるとき
不能ということは、いくら時間を与えても意味がないということ
催告する意味がないので、直ちに減額請求ができる
2 売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき
売主本人がやる意思がないので、催告する意味がない
3 契約の性質or当事者の意思表示により、特定の日時または一定の期間内に履行しなければ、その契約の目的を達成することができない(定期行為)場合に、売主がり履行の追完をしないで、その期間を経過したとき
この場合も催告に意味がないので、直ちに減額請求できる
※契約不適合が買主Bの責めに帰すべき事由のときは、もちろん代金の減額請求はできない
【権利に関する契約不適合】
用益的権利
何かを使用したり、収益したり(例えば、土地を貸して賃料をもらったり)する権利
地上権
建物や工作物を所有する目的で、他人の土地を使用する権利のこと
地役権
ある土地の利用価値を高めるために、他人の土地を使用する権利
質権
債権者がその債権の担保として、債務者または第三者から受け取った物を、債務の弁済があるまで留めておいて、その弁済を間接的に強制するとともに、弁済のない場合には、その物から優先的に弁済を受けることを内容とする担保物権
抵当権
抵当権とは、借金をした場合何か高価なものを担保にして、借金を返せなかった場合に備える
高価なもの(土地や建物など)が競売にかけられた場合、競落代金から債権者が優先的に借金を返してもらえる権利
※質権
土地や建物を担保にした場合、その建物に住んでいた人はそのまま住み続けることはできない
※抵当権
担保を設定したまま、使用を続けることができる
(例)
Aの所有地(X地)
BがAからX地を買った
X地に地上権、質権が設定されていた
??Bはどのようなことが主張できるか??
(例)
A所有の300㎡のX地について
AB間で売買契約が成立
そのX地のうち100㎡がAのものではなかった
??Bはどのようなことが主張できるか??
<買主が売主に対して求められる責任>
善意 | 悪意 | |
---|---|---|
損害賠償請求 | ○ | × |
解除 | ○ ※目的不到達の場合 | × |
代金減額請求 | × | × |
責任追及の期間制限 | 知った時から1年 | × |
BはAに対して履行の追完を請求できる→追完請求権
※契約不適合についてAに責任がなくても(責めに帰すべき事由がなくても)、買主Bは追完請求権を行使できる
※売主Aは買主Bが請求した方法とは違う方法で、履行の追完をすることができる
(買主Bの負担にならない内容なら、代わりの方法を採用しても良い)
買主Bの責めに帰すべき事由がある場合は、追完請求をすることは当然ながらできない
Bが相当の期間を定めて履行の追完の催告をしたが、Aがその期間内に履行の追完をしなかった場合、BはAに対して代金の減額を請求することができる
※契約不適合について売主Aに責めに帰すべき事由がなくても、Bは代金減額請求ができる
(売主の責めに帰すべき事由は、代金減額請求の要件ではない)
・催告なしに直ちに代金の減額請求ができる3パターン
1 履行の追完が不能であるとき
不能ということは、いくら時間を与えても意味がないということ
催告する意味がないので、直ちに減額請求ができる
2 売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき
売主本人がやる意思がないので、催告する意味がない
3 契約の性質or当事者の意思表示により、特定の日時または一定の期間内に履行しなければ、その契約の目的を達成することができない(定期行為)場合に、売主がり履行の追完をしないで、その期間を経過したとき
この場合も催告に意味がないので、直ちに減額請求できる
※契約不適合が買主Bの責めに帰すべき事由のときは、もちろん代金の減額請求はできない
【特約による担保責任の軽減】
【権利の全部が他人に属する、他人物売買の場合】
権利の全部が他人に属する場合の契約→他人物売買
契約は有効
(例)
X地について、売主A買主B間で売買契約が成立した
X地の実際の所有者はCだった
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CにX地を売却する意思が全くなかったとしても、AB間の売買契約自体は有効 (判例)
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売主AはCからX地の所有権を取得してBに移転する義務を負う
売主Aがその義務を果たさないときは、債務不履行の一般規定に従うことになる
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買主Bは原則として契約を解除できる、損害賠償の請求ができる
<買主が売主に対して求められる責任>
善意 | 悪意 | |
---|---|---|
損害賠償請求 | ○ | × |
解除 | ○ | ○ |
代金減額請求 | × | × |
責任追及の期間制限 | × | × |