民法等2−4 担保物権・債権を回収するための手段
【担保物権】
債権者が持っている債権を、債務者から確実に回収するために設定する権利のこと
速やかに自分の持っている債権を回収する手段の一つとして、担保物権が設定される
○法的担保物件
担保物権に関する契約をしなくても、当然に発生する担保物権のこと
先取特権の例
建物賃借人(借家人)が家賃を滞納すると、建物賃貸人(大家)は、借家人が建物に備え付けた電化製品などの動産に対して、当然に先取特権が発生する
留置権の例
時計を修理のために時計屋が預かった場合に、時計の所有者が修理を支払わないと、時計に留置権が発生する(時計を手元に留めておくことができる)
○約定担保物権
担保物権に関する設定契約があって始めて成立する担保物権のこと
(抵当権、質権)
抵当権
「抵当権設定契約」をして始めて抵当権が発生
質権
「質権設定契約」をして、質物の占有を質権者に移して質権が発生
○担保物権の性質
1 付従性債権が消滅したときには、担保物権も消滅する
担保物権は、債権を確実に回収するために設定されるもの
その債権が消滅したら、担保物権を残しておく必要はない
2 不可分性
債権全額の回収ができるまで、担保物権は全部に対して及ぶ
貸したお金の一部だけ返してもらったとしても、返してもらった一部の分だけ担保物権が消滅するということにはならない
3 随伴性
債権が譲渡されたときには、その債権と一緒に担保物権も移転する
AがBに対する債権を担保するために、抵当権を設定している場合に、Aが債権をCに譲り渡した場合には、債権を担保するための抵当権も、AからCに移っていく
債権をCが持ち、担保物権だけをAが持ったままでは、担保物権としての効力を発揮できないから
4 物上代位性
担保を付けたものが滅失などによって金銭に変わったときには、差押えを条件に担保権を実行することができる
(例)
建物に抵当権を設定
その建物が火事によって焼失
支払われる火災保険金が抵当権の目的物になる
※建物の代わりに火災保険金、損害賠償請求権、売買代金請求権、賃料請求権に対して、抵当権を実行できる効力がある
※保険金などは実際に支払われる前に差し押さえをする必要がある
※支払いが完了している場合は実行できない
※建物がなくなったから抵当権も消滅するとは考えない
第三者に対抗するためには登記が必要
(例)
AはBに1000万円貸し付けた
担保としてB所有の土地に抵当権の設定を受けた
Bはその後、その土地をCに売り、現在Cが土地を所有している
??もしBがAに弁済できなかった場合、Aは抵当権を実行できるか??
⬇︎
抵当権設定の登記があれば、AはCに抵当権を主張し、抵当権を実行することができる
○抵当権
抵当権とは、、、
借金をした場合に何か高価なものを担保にして、借金を返せなかった場合に備える仕組み
高価なもの(土地や建物など)が競売にかけられた場合、競落代金から債権者が優先的に借金を返してもらえる権利をもつ
物上保証とは、、、
自分以外の他人のために、自分の財産上に抵当権や質権を設定すること
連帯保証(人)ではない
保証する範囲は設定した自分の財産に限る
その財産で弁済後に、債務者に債務が残っていても物上保証人に弁済の義務はない
物上保証は住宅ローンでは少なく、事業者に多い保証形態
事業者が事業資金に困窮し、自らの担保が不足している場合、親兄弟などに担保提供(物上保証)を受け資金調達するケースが多い
債務者が評価3,000万円の物上保証人の土地を担保にして5,000万円を借り入れた場合、債務者が返済不可能となった場合は、その土地を売却した3,000万円を弁済すれば、残債2,000万円について物上保証人に責任はない
物上保証人とは、、、
自分以外の人の債務を、自分の財産(主に不動産)をもって担保(保証)した人のこと
銀行などの金融機関はお金を貸す際、貸した相手(債務者)が返済できなくなったとき(債務不履行)に備えて、債務者に担保を提供してもらうのが一般的
しかし、債務者に担保にできるような財産がなかったり、借りる金額に対して担保の価値が低かったりした場合、債務者以外の人が担保を提供(物上保証)することが融資の条件になることがある
このときの、担保を提供した債務者以外の人のことを「物上保証人」という
・抵当権の設定
1 抵当権の目的物となるもの
・不動産
・地上権
・永小作権
2 抵当権設定契約
抵当権の設定契約は諾成契約
抵当権者と抵当権設定者の合意によって行われる
3 対抗要件としての登記
・抵当権の順位は、登記の順番
(先に登記をした抵当権者が先順位、遅れて登記をした者が後順位)
・抵当権の順位は、各抵当権者の合意で変更することができる
(利害関係者の承諾が必要、登記が必要)
・抵当不動産の処分
・Bの建物について、抵当権の設定を受けた抵当権者のA
・Aは登記をしておけば、その建物が売却されても抵当権を実行することができる
・抵当権設定者のBはAの承諾がなくても建物を譲渡することができる
(Bが勝手に譲渡したとしても、Aに不利益がないため)
抵当権が付着している不動産を、抵当権が付着した状態のままで取得した者(第三取得者)は、いつ債権者の意向により任意競売(抵当権の実行)にかけられるかわからないという不安定な状態に置かれてしまう
民法第379条では、第三取得者からの請求により抵当権を消滅させることができるという仕組み「抵当権消滅請求」を設けている
(民法改正により2004年4月1日以降に抵当権消滅請求という名称になった)
(旧名称は滌除/てきじょ)
※反対に、債権者からの請求により抵当権が消滅する仕組みとして民法第378条の代価弁済が設けられている
民法第379条の抵当権消滅請求の仕組み
抵当権が付着している不動産を、抵当権が付着した状態のままで取得した者(第三取得者)は、自分が適当と認める金額を債権者に呈示して、抵当権の消滅を要求することができる(改正後の民法第379条)
債権者が、この要求から2ヵ月以内に任意競売の手続き(すなわち競売の申立て)を行なわない場合には、第三取得者が呈示した金額の支払いで抵当権が消滅することを債権者が承諾したことになる(改正後の民法第384条)
(例)
債権者Aが債務者Bに3,000万円を融資し、不動産Pに3,000万円の抵当権を設定した
その後Bがこの不動産Pを500万円で第三者Cへ売却した
本来、この不動産Pの時価評価は3,500万円だが、3,000万円の抵当権が付着している分だけ売却価格が下げられているとする
このとき第三取得者Cは、債権者Aに対して「Cが2,500万円をAに支払うので、これにより抵当権を消滅させる」旨を請求することができる(2,500万円という金額は例えとして挙げたもので、事情により幾らにするかは第三取得者が決めてよい)
このCの請求を拒否するためには、Aは請求から2ヵ月以内に任意競売の申立てをしなければならない
Aが任意競売の申立てをしないときは、Cが2,500万円を支払うことで抵当権が消滅する
・買主の代金支払い拒絶権と費用償還請求権
(抵当権等の登記がある場合の買主による代金の支払の拒絶)
第577条
1項
買い受けた不動産について抵当権の登記があるときは、買主は、抵当権消滅請求の手続が終わるまで、その代金の支払を拒むことができる
この場合において、売主は、買主に対し、遅滞なく抵当権消滅請求をすべき旨を請求することができる
2項
前項の規定は、買い受けた不動産について先取特権又は質権の登記がある場合について準用する
買い受けた不動産に抵当権等の担保物権があるときには、買主は抵当権等の消滅請求をすることができ(379条、341条、361条)、そのために支払った金額の償還を売主に請求することができる(570条)
そこで、抵当権消滅請求が終了するまでは、代金の支払を留保し、償還すべき金額を代金から差し引いて支払うことが簡便であり公平であることから、買主に代金の支払いを拒むことができるものと定めた
平成29年民法改正では「契約の内容に適合しない」との文言が追加されている
これは、あらかじめ当事者が抵当権等の存在を考慮して代金額を決定していた場合は、抵当権消滅請求の機会を与える必要がないことから、本条の適用がないことを明記している
・抵当権侵害
「抵当権の侵害」とは、抵当権者が目的物の価値の減少・価値の減少の可能性により、被担保債権を回収できなるなることをいう
抵当権の大きな特徴は、目的物は債務者(抵当権設定者)にその使用・収益を許して、
抵当権者は目的物全部の交換価値を債権の担保として把握する権利を持っている
抵当権の目的物の管理は抵当権者ではなく目的物の所有者に委ねられる
しかし目的物の価値が下がるようなことをされては、抵当権者の債権が担保できなくなり、受けることができる弁済額が低くなってしまう可能性がある」
(例)
AのBに対する2000万円の債権を担保するためにB所有の2500万円相当の価値のある甲建物に抵当権を設定した
Bはその甲建物をCに貸していたが、Cは甲建物に対して破壊行為をし、甲建物の価値が1500万円になった
目的物の価値の減少・価値の減少の可能性により、抵当権者が、被担保債権の回収をできなくなることが、抵当権の侵害
被担保債権の回収ができなくなるのは、抵当権者にとって不利益となる
・抵当権の侵害があった場合の抵当権者の保護
1 妨害排除請求
2 返還請求
3 不法行為に基づく損害賠償請求権
4 明渡請求
抵当権者に認められたこの4つは、本来は所有者が持つ管理権を、被担保債権を回収するという目的を達成するため、抵当権者にも行使できるようにしたもの
※抵当権の侵害は、基本的に判例の勉強
このポイントだけ理解する 判例をすべて覚える必要はない
1 妨害排除請求
債務者や抵当権設定者または第三者が、通常の利用方法を超えて、抵当権の目的物である不動産の損傷行為を行おうとする場合、抵当権者はその損傷行為を排除するように請求することができる(判例)
抵当権者は、抵当権の効力として、抵当権の目的物が損傷する危険を排除するように請求することができる
(例)
抵当権の目的物となっている甲建物への破壊行為をするCに抵当権者Aは「壊さないで!」と主張することができる
不法占拠者に対する妨害排除請求
第三者が抵当不動産を不法に占拠し、交換価値の実現が妨げられ、優先弁済権の行使が困難な場合は、抵当権者は、不法占拠者に対して抵当権に基づく妨害排除請求を行使することができる(判例)
(例)
AがBに対して有する債権を担保するためにB所有の乙建物に抵当権を設定
Bは弁済できなかったので、抵当権の実行をしようとしたらCが不法に占拠していた
Cの目的物不法占拠のせいで、抵当権の実行ができない
このような場合、優先弁済権の行使ができず、不法占拠によって目的物の価値が下がるため抵当権者Aは、抵当権に基づき不法占拠者Cに対して「出ていけ!」と主張することができる
2 返還請求
抵当権の目的物が及ぶ範囲内のものが、奪われた際、抵当権者は所有者に返還するよう請求することができる
(例)
AがBに対して有する債権を担保するためにB所有の庭石付きの土地に抵当権を設定
Cが庭石を盗んだ
(庭石は目的物の従物で、抵当権の効力が及ぶ範囲内)
抵当権者Aは、Cに対して「庭石を土地所有者Bに返して!」と請求することができる
※注意
「所有者に返還」するよう主張できるが
「抵当権者に返還」するようには主張できない
そもそも抵当権は、目的物の使用・利益は抵当権設定者に許されている
目的物の所有権が抵当権者にあるわけではない
抵当権者は「目的物の価値」を下げるような行為(例では庭石を盗む行為)についてのみ主張することができる
3 不法行為に基づく損害賠償請求権
抵当権を土地に設定していて、その土地が不法に占有され
その不法占有者が目的物である土地にゴミや汚物などを埋めていた場合
そのまま抵当権を実行したが
目的物の価値が低下してその結果として十分に弁済できなかった場合は
その不法行為に基づく損害賠償請求をすることができる
ゴミや汚物が埋められていると交換価値が下がってしまうので、除去した場合もその除去費用を損害賠償請求により回収することが可能
4 明渡請求
抵当不動産の所有者において抵当権に対する侵害が生じないように抵当不動産を適切に維持管理することが期待できない場合は、抵当権者は、目的物の占有者に対して、直接自己への抵当不動産の明渡しを求めることができる。(判例)
(例)
AがBに対して有する債権を担保するためにB所有の丙建物に抵当権を設定
Bは丙建物をCに賃貸し、丙建物にはCが住んでいたが、Cはこの丙建物をゴミ屋敷にしてしまった
このような場合、抵当権の目的物である建物がゴミ屋敷になると、価値が下がってしまう
本当は、所有者であるBが適切にこの建物の維持管理をしなければならないが、
Bが維持管理をしようとしないときは、抵当権者AはCに対して直接自分(抵当権者A)に甲建物を明け渡すよう請求することができる
○抵当権の実行
・抵当権の効力が及ぶ目的物の範囲
抵当権の実行の際に、競売に出すことができるもの
抵当権の効力は、その目的となっている不動産に「付加してこれと一体となったもの」に及ぶとされている
「抵当権の効力が及ぶ目的物の範囲」とは、抵当権の実行が行われ抵当不動産(目的物)を競売にかけてお金に変えることができる範囲のこと
「抵当権の効力が及ぶ目的物の範囲」は、毎年出題される抵当権の中でも、問われやすい
1 土地・建物
基本的には、土地と建物は別々の不動産
土地に設定された抵当権の効力→土地のみに効力がある
建物に設定された抵当権の効力→建物のみに効力がある
※例外
土地に抵当権を設定した後に、設定者が建築した建物は、抵当土地とともに競売することができる(一括競売)
2 付加一体物:増築建物・付属建物・雨戸など
抵当不動産に付加して一体となった物には、抵当権設定の前後を問わず効力が及ぶ
抵当権設定当時は存在していなかったが、のちに増築した建物など
これらの建物は分けてしまうと価値が下がってしまうので、増築した部分も含めて抵当権の効力が及ぶ
(付加一体物として認めれれるものの具体例は、増築建物・付属建物・雨戸)
3 従物:母屋と独立した物置・畳・庭石など
抵当権設定当時に存在していた従物には効力が及ぶ
物置や畳・庭石など
その従物(物置・畳・庭石など)を込みで抵当目的物の価値を定めているから
(判例)
ガソリンスタンド用の建物に抵当権を設定した場合は、設定当時に存在する地下タンクや洗車機等は従物であり、その従物があるからこそガソリンスタンド用の建物の価値があるので、抵当権の効力はこれらの設備にも効力が及ぶ
4 従たる権利:借地上の建物に抵当権を設定した場合の借地権
(判例)
借地権のように建物の所有権に基づく権利(従たる権利)にも類推適用される
(例)
AがBに対する債権を担保するために、B所有の甲建物に抵当権を設定
この甲建物はX所有地にBが借地権を設定し建っている
Bは弁済できず、抵当権の実行が行われCが甲建物を買い取った
この例のように、抵当権の目的となった建物の所有を目的として借地権が設定されている場合、この借地権にも従たる抵当権の効力が及ぶ
※第三取得者Cは、借地権付き抵当不動産(甲建物)を買い受けたということになる
果実2種類
・天然果実
物の用法に従い収取する産出物
果樹園で採取された果実や菜園で収穫された野菜、竹林から採取された野菜など
・法定果実
物の使用の対価として受け取るべき金銭その他の物
土地や建物などの賃貸料
利息なども含まれる
果実には抵当権の効力が及ばないのが原則
(抵当権の最大の特徴として、目的物の占有や利用・収益は設定者に許しているから)
(例外、判例)
債務不履行後に生じた果実には抵当権の効力が生じる
AがBに1000万円を貸してBが自分の所有している甲マンションに抵当権を設定
Bが甲マンションをCに賃貸して賃料を受け取っている場合
BがAに弁済できている間は甲マンションの賃料はBが受け取ることができる
Bが弁済できず債務不履行になり、抵当権が実行されると、Aは甲マンションの賃料からも債権を回収できるようになる
○抵当権の実行
・被担保債権の範囲
元本については、その全額について抵当権を行使することができる
利息その他の定期金、損害金については、その満期となった最後の2年分についてのみ抵当権を行使することができる
※この規定は後順位抵当権者の利益を図るための規定
後順位抵当権者がいない場合には、このような制限はない
※最後の2年分より前の定期金についても、満期後に特別の登記をしたときは、その登記の時から抵当権を行使することができる
○抵当権の実行
抵当権が土地だけに設定された
その土地に建物が建っていて、人が住んでいる場合、その土地の抵当権が実行されると、その人は自動的に地上権を取得し、そこに住み続ける事ができる
(例)
Aが土地と建物を所有して住んでいた
AがBからお金を借りて、土地に抵当権を設定した
その後Aはお金を返せなくなり、抵当権が実行され、Cがその土地を購入した
Cはその土地に自分の家を建てたい
??CはAに対して「建物を撤去しろ!」と言えるか??
⬇︎
言えない
Aはその家を撤去する必要はなく、その土地を自由に使用できる
競売によって、土地はCの所有になったが、
それと同時にAは地上権を取得することになっている
※法律上、自動的に取得する地上権のこと→法定地上権
※地上権
地代を払う必要はあるが、その土地を地主に断ることなく自由に使用できる権利のこと。
??Aの建物が登記されていなかったら??
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法定地上権は成立する
??土地と建物の両方に抵当権が設定されていた場合は??
⬇︎
法定地上権は成立する
○抵当権の実行
一括競売と法定地上権
※一括競売と法定地上権は抵当権が実行される状態が違う、混同しないよう注意
一括競売
「一括競売」とは、更地に抵当権が設定された後、その抵当権のついた土地に建物が建てられた場合(抵当権設定者以外の者が建築した場合も含む)
抵当権者は土地と共に本来は抵当権が及ばない建物も競売できる
(例)
BはAの債権を担保するために、Bの所有の土地(更地)に抵当権を設定し、その後その更地の上に建物を建築した
しかし、Bは弁済期になっても弁済がなされなかったので抵当権の実行が行われた
土地と建物は別々の不動産なので本来なら抵当権を実行できるのは土地だけのはず
しかし、建物を壊して更地にしてしまうのは社会経済的にも損失が大きい
建物所有者のためにも、本来は抵当権が及ばない建物も土地と合わせて一括で競売できるとした
※抵当権の実行により土地と建物を一括競売したAが受けることのできる優先弁済は、抵当権の設定されていた土地の代金のみ
土地とその上の建物を同じ所有者が所有している場合
土地・建物の一方または双方に抵当権が設定され
その実行により、土地と建物の所有者が異なったときに
建物のために当然に発生する地上権のこと
民法上、土地と建物は別々の不動産とされている
抵当権実行前までは同一の所有者に属する土地と建物が、抵当権の実行の結果、土地と建物が別々の所有者になった場合、建物の所有者は土地の利用権を失ってしまう
そうなると、建物所有者は建物を取り壊し移転するなどして、土地を明け渡さなくてはならない
これでは社会経済上損失が大きくなる
その損失をなくすため、民法では、条件がそろえば当然に成立する「法定地上権」を認めている
(例)
BはAの債権を担保するために、B所有の土地と建物のうち建物のみに抵当権を設定した
その後Bは弁済せず、抵当権の実行が行われ土地が競売にかけられ、Cが新たな建物の所有者になった
B所有の土地にC所有の建物が存在している状態
この場合C所有の建物のために、法定地上権が成立し、B所有の土地の上の法定地上権者となり、Cはこの建物の使用をすることができる
法定地上権の成立要件
法定地上権が成立する要件3つ
1 抵当権設定当時から建物が存在すること
- 抵当権設定当時に建物が存在すれば、その後に火災等で建物が滅失し抵当権が実行までに、再築した場合でも法定地上権は成立します。(判例)
- 更地に抵当権が設定された後に建物が建てられた場合、抵当権者があとから建物を建築することを承認していた場合でも、法定地上権は認められない。(判例)
- 複数抵当権が設定されている場合、1番抵当権設定当時に建物が存在していなければ、2番抵当権設定当時に建物が存在し、2番抵当権の実行された場合でも、法定地上権が成立しない。(判例)
2 抵当権設定当時、土地と建物の所有者が同一であること
- 抵当権設定当時に、所有者が同一であれば、設定後に譲渡などによって所有者が変わっても法定地上権は成立する。(判例)
- 土地に一番抵当権が設定当時に、土地と建物の所有者が同一でなければ、その後土地と建物の所有者が同一となり、その後の土地に二番抵当権を設定し抵当権の実行されても法定地上権は成立しません。(判例)
- 共有している土地の上に、共有者の一人が建物を有し、自己の持分の上に抵当権を設定した場合には法定地上権は成立しない。
- 建物を共有している場合、建物の共有者の一人が敷地を有し、敷地に抵当権が設定された場合には、法定地上権が成立する。
3 競売の結果、土地と建物の所有者が別々になったこと
- 競売の結果、土地と建物が別々の所有者に帰属すれば法定地上権は成立する。
※法定地上権が成立するのに登記は不要
登記がどうであれ、上記の要件を満たしていれば法定地上権は成立する
○抵当権の実行
・賃貸借の保護
抵当不動産の賃借人とは、、、
抵当権の目的物である不動産を賃借している人のこと
抵当権と賃借権の優劣は、登記の前後によって決まる
原則
・抵当権設定登記前に賃借権登記をしている賃借人
→新所有者(買受人)に対抗することができる
・抵当権設定登記後に抵当不動産を賃借した人
→新所有者(買受人)に対抗することができない
ここでは民法上の規定を解説しているため、借地借家法と要件が異なる部分がある
本試験では問題文に「民法の規定では…」「借地借家法の規定では…」と記載があるので、そこで論点を確認すること
抵当不動産の賃貸人の保護
抵当不動産を賃借している賃借人は、抵当権が実行されたら基本追い出されることになる
不安定な状態に置かれる可能性がある抵当不動産の賃借人を保護するために、民法は賃貸借に対抗力を与える制度を設けている
(例)
BはAの債務を担保するためにB所有の甲建物に抵当権を設定した
抵当権は、抵当権の目的物を抵当権設定者(B)が使用・収益することができるのでCと賃貸借契約を結び甲建物を賃貸している
この場合のCが抵当不動産の賃借人
このAB間の抵当権設定契約の登記が、BC間の賃貸借契約登記の前なのか後なのかで、抵当不動産の賃借人Cの対抗できるかが決まる
※抵当権と賃借権の優劣は登記の前後によって決まる
※登記しなければ、抵当権も賃借権も対抗することはできない
抵当権設定前の賃借人の保護
民法上では抵当権設定登記前に
賃借権登記をしている賃借人は
抵当権実行が行われ、抵当不動産が競売され所有者が買受人に移っても
賃借人が登記をしていれば対抗することができる
(例)
BがCにB所有の甲建物について賃貸借契約を結び、Cは甲建物に居住している
その後BはAにお金を借り、Aへの債務を担保するために抵当権を設定した
Bは弁済することができず、抵当権実行が行われ甲建物が競売にかけDが甲建物を買い受けた
この場合、賃借権登記がある抵当不動産を買い受けたことになる
賃借人Cは新所有者(買受人)Dに対して、賃借権を主張することができる
賃借人Cは建物を明け渡す必要はなく、賃借人Cは買受人(新所有者)Dに対して、甲建物の賃借人であることを主張することができる
賃借人Cが甲建物の賃借人であることを主張できるため、
買受人(新所有者)Dは賃貸人として当然に承継され、
買受人(新所有者)Dと賃借人Cとの賃貸借関係になる
(④の段階でBC間の賃貸借契約は消滅している)
なので賃借人Cは、買受人(新所有者)Dに対して「賃料相当額」を支払うことによって甲建物に居住し続けることができる
敷金関係も継承されるので、賃借人Cが旧所有者Bに支払った敷金は、新所有者(買受人)Dに継承されるため、賃借人Cが建物を明け渡す際は、新所有者(買受人)Dに対して敷金返還請求をすることができる
特別法は一般法に優先する
ここでは民法の規定の解説
借地借家法では、賃借人の対抗要件が「登記」だけでなく「建物の引渡し」だけでも対抗できるようになる
民法での条件と特別法(借地借家法等)での条件は別々に判断する
抵当権設定後の賃借人の保護
抵当権設定契約の登記後に、
賃貸借契約によって抵当不動産を賃借した者は、
抵当権者や競売の買受人に対して対抗することはできない
(例)
BがAへの債務を担保するためにB所有の乙建物に抵当権を設定し登記も済ませた
その後、BはCと乙建物についての賃貸借契約を結びCが乙建物に居住している
BがAに弁済することができず、抵当権の実行にて競売にかけられDが乙建物の買受人になった
この場合、賃借人Cは抵当権者A、買受人Dに対抗することができない
原則は、賃借人Cは対抗できないので抵当不動産(乙建物)をすぐに引き渡さなければならない
しかしそれでは賃借人がかわいそうなので、抵当不動産の賃借人を保護するために例外的に下記の2つの制度を設けている
・建物引き渡し猶予制度
・抵当権者の同意を登記した賃貸借権に対抗力を与える制度
2004年(平成16年)以前は、短期賃貸借保護制度が置かれていたが、
民法改正より原則的に廃止され、これに代わって「建物引き渡し猶予制度」が創設された
例外1 建物引渡し猶予制度
抵当権者に対抗できない賃貸借により、競売手続きの開始前から抵当権の目的不動産を使用・収益していた者は、その建物が競売された後、買受人の買受けの時から6か月間、明渡しが猶予される
※引き渡さなければならないのには変わりないが、引渡しに6か月の猶予がある
※競売後6か月間の賃料相当額を支払う必要がある
買受人D(新所有者)が抵当建物使用者(賃借人C)に対して相当な期間を定めて1カ月分以上の支払いを催告し、相当期間内に支払いがなければ、建物引き渡し猶予制度は適用されず、抵当建物の賃借人はその目的建物を引渡さなければならない
上の図の④競売の時点で、BC間の賃貸借契約は消滅しているため、競売後の賃料相当額は不当利益として返還しなければならない
買受人D(新所有者)は抵当権設定当時の権利を買い受けることになるので、抵当権設定後に設定された賃貸借契約の賃貸人B(旧所有者)の地位は承継されない
敷金は買受人D(新所有者)に継承されることはない
敷金継承されないので、賃借人Cが乙建物引き渡しの際に敷金返還請求をする場合はその請求先は前賃貸人B(旧所有者)となる
賃借人Cが乙建物の利用を継続したければ、買受人D(新所有者)との間で再度賃貸借契約を締結する必要がある
賃借人Cと賃貸借契約を締結するかは買受人D(新所有者)に委ねられる
※この制度は建物のみに適応され、土地には適応しない
例外2 抵当権者の同意を登記した賃貸借権に対抗力を与える制度
登記をした賃貸借は、その登記前に登記した賃借権を有するすべての者が同意し、かつ、その同意の登記があるときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる
しかし抵当権者がこの同意の登記をするには、下記の承諾を得なければならない
・転抵当権者など(その抵当権を目的とする権利を有する者)
・その他抵当権者の同意によって不利益を受けるべき者
この規定は、賃貸用の不動産などは賃借権を継続しないと、むしろ抵当不動産の担保価値を低下させることから認められた
○抵当権の実行
・第三取得者の保護
AがBに1000万円を貸し付けた
B所有のY地に抵当権の設定を受け、登記も備えた
BがY地をCに売却した
(Cが第三取得者)
??Cがその抵当権を消滅させ、抵当権の実行を防ぐにはどうすればいいか??
⬇︎
利用できる制度2つ
1 代価弁済
Aの求めに応じて、CがAに代金を支払い、抵当権を消滅させる
(Aが主導)
2 抵当権消滅請求
CからAに、抵当権の消滅を書面で要求
登記した全ての債権者の承諾を得た額を、Cが支払い、抵当権を消滅させる
(Cが主導)
※抵当権消滅請求は抵当権の実行としての競売による差し押さえの効力発生前まで、行うことができる
※主たる債務者・保証人・その承継人は抵当権消滅請求はできない
(そもそも全額返済する立場のため、それに満たない金額で抵当権を主滅させる機会を与えるべきではないから)
○根抵当権
民法第398条 根抵当権
1、抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる
2、前項の規定による抵当権(以下「根抵当権」という)の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない
3、特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権又は手形上若しくは小切手上の請求権は、前項の規定にかかわらず、根抵当権の担保すべき債権とすることができる
・特殊な抵当権の根抵当権
不動産を担保として極度額を設定し、債権の種類を決め、その範囲内でお金の貸し借りが繰り返しできるようになる権利
(例)
自営業を営むAさんが、自らが所有する土地を担保とし、B銀行から極度額(上限額)3000万円のお金を借りた
債権の種類を商売の仕入れに関するものとし、これに根抵当権を設定すると、Aさんは極度額3000万円以内の範囲であれば、商売の仕入れに関するお金の貸し借りを繰り返し行う事ができる
これが根抵当権の仕組み
・元本の確定
根抵当権によって担保される債権を定めることを「元本確定」という
元本の確定は、元本確定期日の到来、または当事者の確定請求等によって行う
当事者の確定請求は、根抵当権設定者が根抵当権設定時から3年以上であれば元本の確定請求をする事ができる
・根抵当権の変更
1:限度額の変更
元本確定の前後を問わずにいつでも行う事ができる
ただし、利害関係人の承諾が必要
2:被担保債権の範囲の変更
元本確定前である場合のみ行う事ができる
利害関係人の承諾は不要
3:債務者の変更
元本確定前である場合のみ行う事ができる
利害関係人の承諾は不要
4:元本確定期日の変更
元本確定前である場合のみ行う事ができる
利害関係人の承諾は不要
【根抵当権の特徴】
1:付従性が無い
元本確定前は、借りたお金を全額返済したからといって根抵当権は消滅しない
決められた債権の種類かつ限度額の範囲内であれば何度でも借りる事ができるため
2:被担保債権の範囲
根抵当権は「一定の範囲」に属する不特定の債権を限度額の範囲内において担保するもの
なんでも担保に出来るわけではない(包括根抵当権の禁止)
商品供給取引や銀行取引による債権、といったように担保にできる債権が限定されている
3:随伴性が無い
元本確定前であれば、被担保債権が譲渡されても根抵当権は移転しない
4:効力の範囲
根抵当権は、限度額の範囲内であれば、確定した元本をはじめ、利息、遅延損害金等、すべてに効力を生じる
他人の物の占有者が、その物に関して生じた債権の弁済を受けるまでその物を留置する権利
(例)
自動車工場が自動車を整備したときは留置権に基づいて、整備代金の支払いを受けるまで自動車を留置し、その支払いを間接的に強制することができる
この例で言う自動車工場が留置権者
善管注意義務→注意を払って責任をもって人の物を管理する義務
留置権の要件
1債権と物との牽連
対象物と関わる債権であれば、効力が制限されない
2 債権が弁済期にあること
履行前には効力が生じないことから、弁済期にある必要がある
(例)
自動車修理工場に修理を依頼し、代金支払いと車引渡しの日にちが決まった
この「代金支払い日」「引渡し日」が弁済期
弁済期がきていない債権には効力がないので、留置権は発生しない
3 他人のものを占領している状態にあること
他人のものを占有することで初めて留置する(引き留める)行為が可能になる
4 占有が不法行為によって始まったのではないこと
不法占拠者は、適法に占拠をしていないので、留置権は認められない
留置権の性質
1.登記ができない
不動産限定で、留置権は、専有し続ける必要があるので登記をする必要がない
(登記をすることができない)
登記ができなくとも専有し続けることで、抵当権などにも対抗できるため、登記が特に問題となることはない
2.付従性
上記の自動車の修理の例では、修理代金が支払われれば、車を引き留めておくことはできなくなる
3.随伴性
債権の譲渡が行われた場合、被担保物権に係る担保物権も一緒についていくという性質
自動車の修理が他の修理工場で行われることになった場合、未払いの代金とともに修理済みの自動車の留置権も引き継がれる
4.不可分性
債権の一部のみ弁済を受けても、引き留めている物すべてに対して、留置権が及ぶという性質
自動車の修理代金を半額支払ってもらったからといって、車の右半分だけ預かっておくということは不可能
全部の支払いがなされるまでは、対象物全部の留置が認められている
○先取り特権(法定担保物権)
法定担保物権の一つ
当事者で契約をしなくても成立する
法律で定められた債権を有する者が、他の債権者に優先して弁済を受ける権利
(例)
建物賃貸借によって、A所有建物をBが借りた
Bが家賃を滞納し、家具などが競売にかけられ場合、Bの賃料債権は法律上当然に「先取特権」となり、他の債権者より優先的に弁済を受けることができる
不動産賃貸の先取特権
建物の賃貸人は、賃借人が借りている建物に備え付けた電化製品などの動産について先取特権を持つ
不動産保存の先取特権
不動産の保存→不動産の価値を維持する行為
この保存のために費用を負担した人は、その旨を登記すれば先取特権が発生する
不動産を競売して保存費用を取り戻せる権利が発生する
(例)
賃借している建物の屋根から雨漏りした
賃借人が屋根の修繕費用を負担した場合、その旨を登記すれば、不動産保存の先取特権が発生する
不動産工事の先取特権
不動産の工事→家を建てることなど
請負人が建物を建築する場合、工事を始める前にその費用の予算額を登記することで、先取特権が発生する
発注者が建築費用を支払わない場合は競売をかけて、優先弁済を得られる
不動産売買の先取特権
売主がまだ代金の完済をうけないうちに、目的不動産を買主に引き渡し、所有権が買主に移転すると、残金の支払いに不安が生じる
この場合、所有権移転登記と同時に、代金の未払いがある旨を登記しておけば優先弁済を得られる
質権とは、、、
債権者がその債権の担保として、債務者または第三者から受け取った物を、債務の弁済があるまで留置し、その弁済を間接的に強制するとともに、弁済のない場合には、その物から優先的に弁済を受けることを内容とする担保物権のこと
質権の性質
付従性・随伴性・不可分性・物上代位性を有する
質権が設定されると、目的物の占有が質権者に移転する
質権には留置的効力がある
質権の設定
・質権は約定担保物権のため、質権設定契約により締結される
質権を設定してもらう債権者→質権者
質権を設定する方→質権設定者
・多くの場合、債務者が質権設定者となるが、第三者が質権設定者になることもある
質権設定者になった第三者→物上保証人
・質権設定契約は、目的物を債権者に引き渡すことによって、はじめてその効力を生じる
質権設定契約は要物契約
・質権は譲渡することができる物や権利に設定することができる
動産質権 動産に設定された質権
不動産質権 不動産員設定された質権
権利質権 その他の財産権に設定された質権
被担保債権の範囲
質権は設定契約で別段の定めをしない限り下記の賠償を担保する
・元本
・利息
・違約金
・質権実行の費用
・質物の保存の費用
・債務不履行または質物の隠れた瑕疵によって生じた損害
※質権の被担保債権の範囲は、抵当権よりも広い
⬇︎なぜか??
質権を設定した場合、その目的物は質権者に引き渡されることになる
一つの目的物に複数の質権が成立することはあまりない
質権者が優先的に弁済を受けられる範囲を広くしても、他の債権者を害するおそれが少ない
質権の効力
質権者は、被担保債権の全額の弁済を受けるまで、その目的物を留置することができる
(留置的効力)
質権者は、債務者が弁済をしない時に目的物から優先的に弁済を受ける権利を有する
(優先弁済的効力)
・不動産質権者
質権の目的である不動産の用法に従って、その使用・収益をすることができる
ここから得た収益は、質権者のものになる
※留置権では、あくまで弁済に充てることができるにすぎないという点で、若干異なる
不動産質権者には使用・収益権がある
質権者は、被担保債権の利息を請求することができない
※質権の目的物を使用・収益している上に、利息の請求を認めると、質権者に過剰な利益を取得させることになってしまうため
不動産質権者は、不動産を管理するための費用を支払いその他不動産に関する負担を負う
※不動産の使用収益権がある以上、そこから発生する費用も質権者が負担するのが妥当
流質契約の禁止
流質契約とは、、、
質権設定契約または債務の弁済前の別の契約において、
もし債務者が決められた期限に債務を履行できなかった場合には、
質権者が質物の所有権を取得し、
またはこれを任意に他人に売却して優先弁済にあてることを約する契約のこと
※流質契約が禁止されたのは、資金が足りなくて困っている債務者の弱みにつけ込んで、少額の債権に対してはるかに高額な質物を自らの物にしてしまうことを防ぐため
※この規定は強行規定のため、特約によって排除することはできない
※弁済期以後は、質物の処分方法については当事者間で自由に決めることができる
転質
質権者は転質を有する
転質とは、、、
質権者が、その権利の存続期間内において、
自ら負っている債務を担保する目的で、
自己の責任で質物に質権を設定すること
(例)
BがAに対する債権の担保として受け取っている質物に、
さらに、BがCに対して負っている債務の担保として質権を設定することができる
ただし、この場合、転質をしたことによって生じた損失は、
不可抗力によるものであってもその責任を負うことになる
不可抗力、、、
通常必要とされる注意義務を尽くしても防止でいない事故のこと
(カミナリによる火事や津波による家屋の倒壊など)
※質権者が質権設定者の承諾を得て行う承諾転質も認められている
不動産質権と抵当権との違い
不動産質権→占有、使用、収益できる
抵当権→留置的効力がない、占有できない、利息の請求ができる
不動産質権者は、、、
質権の目的物である不動産の引渡を受け、その不動産の用法に従って使用・収益をすることができる
特約がない限り、その不動産の管理費用は質権者が負担しなければならない
被担保債権の利息を請求することもできない
⬇︎なぜか??
質権者は不動産を使用・収益することによりその利益を得ている以上、管理費用程度は負担させるべきであり、利息の請求を認める必要もないから
不動産質権の存続期間は10年を超えることができな
もし、この期間より長い期間を定めても10年に短縮される
この期間は更新は可能
更新の場合でも、更新の時から10年を超えることはできない