いおちゃんの宅建٩( ᐛ )و

自分の勉強用ブログ 間違ってるところがあるかもしれませんのであしからず

民法等3−2 借地権(借地借家法)

 

借地借家法

法的弱者である借主を保護するために、民法よりも手厚く保護できるように定められた法律

民法では契約は原則自由だが、不動産賃借は生活の基盤であり、弱者の借主が不利な契約をさせられることを防ぐ目的で定められている

 

借地権

借地権とは、、、

建物の所有を目的とした地上権土地賃借権の2つのこと

(使用賃借は含まない)

 

・実際に建物を建てる人と土地を保有している人が違うときには、「借地権」を設定する必要がある

 

・借地権が設定された土地に建物を建てると、土地は土地を所有する人の物、建物は建てた人が所有する物という法的な区別がしっかりとできることになる

 

・臨時使用などの一時的な使用のために設定されていることが明確な場合

一定の借地借家法の定め(存続期間・更新・再築・更新拒絶の場合の建物買取請求権など)は適用されない

※短期使用の場合は、借地人保護の必要性が低いため 

 

借地権設定者→ 土地の所有者

借地権者(借地人)→土地を借りた人

 

 

・地上権

他人の土地で建物や竹木を所有するために、その土地を使用する権利のこと

地上権は、土地の賃貸借契約よりも強い権利

 

三者への譲渡、転貸

地上権を設定した借主は、地主の承諾を得なくても地上権を登記して第三者に譲渡したり、賃貸したりすることが自由にできる

(土地に対して強い権利を持つ)

 

地上権の登記

借地権の所有者が地上権を希望した場合、地主は地上権の登記に応じる義務がある

登記簿には、地上権設定と記載される

登記簿を見れば地上権が設定してある物件であることがすぐに分かる

 

地代、賃料

地上権は地代を払わない契約でも成立するが、実際には地代を払う契約がほとんど

 

存続期間 

地上権は永久とすることも可能

 

 

 

・土地賃借権 

土地の賃貸人の承諾を得た上で、土地を間接的に支配する権利のこと

建物の利用目的が終われば、土地を土地の所有者に返すことが前提の契約

建物の改築やリフォームなど、耐用年数を伸ばす行為を行うときには地主の許可を得なければならない

 

三者への譲渡、転貸

三者への譲渡や賃貸をするときは、地主の承諾が必要

 

土地賃借権の登記

地主の承諾が必要

地主には登記の協力義務はない

(借地権者が所有する建物の登記をすれば、貸借権と同様の権利が得られるため)

 

地代、賃料

貸借権は必ず賃料の取り決めが必

 

存続期間 

民法上の存続期間

存続期間の設定は20年が限度(都度更新をすることができる)

期間の定めのない契約の場合、解約申入れ後1年で終了

 

借地借家法上の借地権の存続期間

下記に記載

宅建試験では、民法の規定ではなく、借地借家法の規定で回答する

 

 

 

※地上権は「物権」 土地の賃借権は「債権」

物権は誰に対しても権利を主張できる(そのものに対しての権利を持っている)

債権は土地の所有者に対してのみ権利を主張できる(契約内容のみに権利を持っている)

この性質の違いから、上記のような違いが生まれる

 

※地上権と土地賃借権、実際に採用されるのは??

土地賃借権の採用が多い

地上権は、土地の所有者がいても、その土地の上に建てられている建物部分の支配権はほぼ地上権所有者が持つことになり、土地の所有者に対しては不利な面が多すぎるため

賃借権の場合、土地の所有者が変わったとしても、その建物を登記していれば貸借権は有効なので、賃借権の方が両者にとって不便が少ない

 

※では地上権はどのような場合に設定されるのか??

土地の上に建物が建っていて、さらにその上に鉄道の高架や高速道路が建てられたり、地下には地下鉄が走っていたりする場合がある

このような高架の鉄道や高速道路、地下鉄線路などに地上権が設定されていることが多い

地上権を持つことで、土地を所有しているのとほぼ変わらない権利になるため、鉄道や道路の補修なども土地の所有者の承諾を得なくても、鉄道会社などが独自の判断で補修を行うことが可能になる

 

 

借地借家法における借権と借権の違い

借主を保護する必要があるなら「借地借家法」において、借地と借家の双方に同じ制度を設ければ足りるとも考えられる
しかし実際は、借地と借家の両者は異なる内容の法律となっている

??なぜか??

⬇︎

借地、借家共に借主保護の必要があるが、その保護の必要性の程度が異なる

 

借主が無理やり追い出された場合の比較

・借家の場合

次に移るべき建物を探し、そこへ引っ越しをすれば足りる

 

・借地の場合

何も建っていない土地(更地)を借り、そこに建物を建てて住んでいた場合は、その土地を返す際に、元通りの更地にして返さなければならない

借主は次に移るべき建物を探して引っ越しをし、さらに、わざわざ建てた建物を壊さなければならない

建てた建物が無駄になり、かつ、壊す費用がかかるため、借地人の不利益が大きい

⬇︎

借家人に比べ、借地人の方をより保護しなければならない

借地の方がより保護されるように、借地と借家で異なる制度を設けている

 

借地権の存続期間

 

・最短期間が定められている

当初の存続期間    最短30年間

最初の更新時     最短20年間

2回目以降の更新時   最短10年間

 

借地権は建物の所有が目的のため、一定の長い期間の存続が必要

期間を定めなかった場合、自動的に上記期間となる

 

当初の存続期間を設定する際に、当事者同士で最短期間よりも長い期間を設定することができる 

 

(例)

当初の存続期間を40年と定める→期間は40年 

当初の存続期間を20年と定める→期間は30年 

 

※借地権では必ず期間が定まるので、特約ない限り、中途の解約申し入れは不可

 

??更新時の20年や10年の期間は、両者の合意で長く設定できる??

⬇︎

できる

 

借地権の更新

 ・最短期間が定められている

最初の更新時     最短20年間

2回目以降の更新時   最短10年間

 

1 合意更新

合意の場合は上記の通り、最初の更新は20年よりも長い期間、2回目以降の更新は10年よりも長い期間で定める

※借地人の保護を図っている

 

 

2 請求による更新

請求による更新の場合も上記の通り、最初の更新は20年よりも長い期間、2回目以降の更新は10年よりも長い期間で定める

※借地人の保護を図っている

 

・建物が現存する場合に限る

建物がない状態では更新する意味がないため

 

・借地権者(借地人)は

期間満了の際に、借地権設定者に請求すれば更新される

 

・借地権設定者は

期間満了の際に、借地人に対して契約打ち切りを、遅滞なく異議を述べることができる

ただし正当事由がなければ、この異議は認められない

 

※この場合の正当事由とは

借地権設定者と借地権者、転借地権者が土地を必要とする事情のほか、借地に関する従前の経過、土地の利用状況、立ち退き料などの借地権設定者が土地の明け渡しの際に支払うべきものがあるかと言った、様々な事情を総合的に考慮して判断される

 

※正当事由が認められやすい場合

借地権設定者がその土地を必要としている度合いが高い場合

(期間満了した以上、借地権設定者が土地を必要としていれば、更新を認めるべきではないから)

借地権設定者が借地権者に対して立退料を支払うといった申し出がある場合

(借地権者に有利)

 

 

 3 法定更新 

法定更新の場合も上記の通り、最初の更新は20年よりも長い期間、2回目以降の更新は10年よりも長い期間で定める

※借地人の保護を図っている

 

・法定更新とは

賃貸借の期間が終わっても建物があるので、借地権者がそのまま土地を使い続けていた場合に、借地権設定者からの正当事由ある異議がない場合は、自動的に更新される

これが法定更新

 

・建物が現存する場合に限る

建物がない状態では更新する意味がないため

 

借地上の建物の再築

 

・最短期間が定められている

当初の存続期間    最短30年間

最初の更新時     最短20年間

2回目以降の更新時   最短10年間

 

 

1 最初の契約期間中の再構築

賃借人B(借地権者)は土地の所有者A(借地権設定者)から

建物所有の目的で期間30年として土地を借り、家を建てていた

25年経過した時点でその家が滅失した場合どうなるか??

 ⬇︎

建物が25年目で滅失した場合、契約期間は後5年残っている

賃借人Bが家を再築した場合に、後5年しか住むことができないのはBに不利

⬇︎

・土地の所有者Aの承諾を得て再築した場合

Aの承諾のあった日

建物が再築された日

 

この2つの日のどちらか早い日から、原則として、契約は20年間存続する

 

※BがAに対して「再築します」と通知を出して2ヶ月たってもAからの異議がなければ、承諾があったと見なされる(承諾の擬制

 

 

2 契約更新後の再構築

賃借人B(借地権者)は土地の所有者A(借地権設定者)から

建物所有の目的で期間30年として土地を借り、家を建てていた

初回の更新をして、存続期間は20年延長されている

その時点でその家が滅失した場合どうなるか??

⬇︎

契約を更新した後に、借地上の建物が滅失し、それを再築した場合

 

土地の所有者Aの承諾がある場合

借地権者Bは再築、地上権の放棄、土地の賃貸借の解約申し入れを選択できる

(Bは30年以上住んでおり、再築しない場合もある)

 

再築したら→20年間期間が延長される(最初の更新と同じ)

 

 

土地の所有者Aが再築を承諾しない場合 

借地権者Bは裁判所に申し立てをして、Aに代わる裁判所の許可を得れば、再築による期間が原則として20年の延長が認められる

※裁判所はこれと異なる期間を定めることができる

(絶対に20年延長されるわけではない)

※更新後の再築は、前述の1と異なり、通知による承諾の擬制は認められない

 

 

土地の所有者Aが再築を承諾しておらず、Bが裁判所の許可を得ずに無断で再築した場合 

AはBに対して、地上権の消滅請求か土地の賃貸借の解約申し入れができる

解約の申入れから3ヶ月の経過により契約は終了する

※Aが解約申入れをしなかった場合、借地権は本来の存続期間を変えず存続期間中有効となる→20年間継続される

  

借地権の譲渡・目的物の転貸借

借地権設定者→ 土地の所有者A

借地権者(借地人)→土地を借りた人B

転貸人/譲受人→Bから土地を転貸/譲受たC

 

(1)

AB間の借地契約の後、Bは借地上に建物を建てた

Bはその建物をCに譲渡した

この場合、建物は土地の利用権がないと存続できないので、借地上の建物を譲渡するときは原則として、借地権も同時に移転する

 

(2) 

・借地権が地上権の場合

Aの承諾がなくてもBはCに借地権を譲渡できる

譲渡や転貸には制限がない(地上権は強い)

 

・借地権が土地の賃借権の場合

 賃借権の譲渡・転貸にはAの承諾が必要

 

・土地の賃借権でBはCに建物を譲渡・転貸したいが、Aが承諾をしない場合

特に不利益がないのにAが承諾をしない場合、Bは裁判所の許可を得れば、譲渡・転貸できる(Aの承諾の代わりに裁判所の許可を得ればOK)

 

(3)

・競売や公売における土地賃借権の譲渡の場合

不利益がないのにAが承諾をしないときは、競売や公売によって取得した者が、Aの承諾に代わる許可を裁判所に申し立てることができる

この申し立てができるのは、競売人等が建物の代金を支払った後、2ヶ月以内に限られる

  

建物買取請求権

 

借地権設定者→ 土地の所有者A

借地権者(借地人)→土地を借りた人B

転貸人/譲受人→Bから土地を転貸/譲受たC

 

 

1 契約の更新拒絶の場合の建物買取請求権

 

Aに正当な事由があり契約が更新されない場合

借地権者Bは期間満了の際に、Aに対して建物を時価で買い取って欲しいと請求することができる

これが建物買取請求権

※Bが投下した資本の回収、社会経済上の損失の防止を目的として定められている

 

Bの債務不履行によって契約が終了する場合

買取請求はできず、Bは自身で建物の撤去をすることになる

 

 

2 第三者の建物買取請求権

CはBから建物を譲り受けたが、Aが土地の賃借権の譲渡・転貸を承諾してくれない

CはAに対して、購入した建物を時価で買い取って欲しいと請求することができる

※この場合のAに対する買取請求は、譲渡人Bではなく譲受人Cが行う

 

借地権の対抗要件 

 

1 建物の登記

AがBに土地を貸し、Bがその上に建物を建てて使用している

土地所有者のAが、この土地をCに譲渡した場合

 

民法では

賃借権の登記があれば、Bは土地を使い続けられるとしている

 

・賃貸借の場合

地上権とは異なり、土地所有者Aは賃借人Bの登記に協力する法律上の義務はない

(Bの登記をしてしまうと、Aの土地の値段が下がりかねないため)

Bは借地権の登記を備えることができず、追い出されることになる

(現実では、民法の規定ではなく借地借家法の規定が適用されるため)

 

借地借家法では、このBの保護を図るために、借地権者Bは借地上に登記した建物を持っていれば、その借地権を対抗することができる

 

この登記はBの建物の登記のため、Aの協力は不要

Bは1人で登記ができる

 

※表示に関する登記は対抗力がないのが原則

しかし判例では、この借地上の建物の登記は、表示に関する登記でも良いとされている

(弱者である借地権者の保護のため)

 

判例では、その建物の登記名義人と借地権者は同じ名義でなければならないとしている

建物の登記が息子名義や妻名義では、登記した建物を持っていることにはならない

 

 

2 掲示による保全

Bはかつて、借地上に自分の建物を建てて、それを自己名義で登記していた

その建物が火事で焼失し、Bは借地上に登記した建物を無くしてしまった

その間に土地を買ったCから待機を求められた場合、Bは出ていかなければならない

 

こういった場合に、Bを保護するために、掲示による保全が認められている

 

Bは土地の見やすい場所に、再築する旨などの一定の事項を掲示(看板を立てる)しておけば、2年間は、新たな譲受人Cに対抗できる

これが掲示による保全

 

※対抗力が認められるのは、もともと建物の登記がされていた場合に限る

 

借地条件の変更および増改築の許可

 

 (1)

建物の種類・構造・規模などを制限する借地条件がある場合で、

事情の変更で、従来の借地条件と異なる建物を所有するのが適当であるにも関わらず、

その変更について当事者間に協議が調わないときは、

裁判所は当事者の申し立てにより、その借地条件を変更することができる

 

(2)

借地権者が既存の建物について、建物の種類を同一のまま増改築することは、

その禁止の特約がない限り、土地所有者の同意なしで、自由に行うことができる

 

※増改築禁止の特約がある場合

土地所有者の承諾がないと増改築はできない

土地の通常の利用上相当な像界V引くについて、当事者に協議が整わないときは、

裁判所は借地権者の申し立てにより、その増改築について土地所有者の代わりに承諾を与えることができる

 

定期借地権

 

(1)一般定期借地権

存続期間  50年以上

目的    自由

要件    公正証書等書面による更新等を排除する旨の特約

建物利用  ・建物買取請求権は排除される

      ・借地人の建物利用は継続されない

消滅    更新がなく期間の満了か建物の土地所有者への譲渡によって借地契約終了

 

公正証書書面→公正証書以外もOK

 

 

(2)事業用定期借地権

存続期間  10年以上50年未満

目的    事業用の建物所有目的のみに限定(居住用は不可)

要件    公正証書による設定契約が必要

建物利用  ・建物買取請求権は排除される

      ・借地人の建物利用は継続されない     

消滅    更新がなく期間の満了か建物の土地所有者への譲渡によって借地契約終了

 

※賃貸住宅事業者が賃貸マンションを建てることはできない

※従業員の居住用の社宅を建てることはできない

必ず公正証書が必要、それ以外の書面ではダメ

 

 

(3)建物譲渡特約付借地権

存続期間  30年以上

目的    自由

要件    30年以上経過の後建物を土地所有者に譲渡する旨の特約

建物利用  借地人の建物利用は原則として継続されない

消滅    更新がなく期間の満了か建物の土地所有者への譲渡によって借地契約終了

 

※上記の特約により借地権が消滅した場合

その借地権者(または建物の賃借人)で、

権利が消滅した後もなお建物の使用を継続している者が請求したときは、

請求の時に、その建物につき、その借地権者(または建物の賃借人)と借地権設定者との間で「期間の定めがない賃貸借」がされたものと見なされる

 

※借地権者が請求をした場合において、借地権の存続期間があるときは

「その残存期間」=「存続期間」となる