いおちゃんの宅建٩( ᐛ )و

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民法等4ー4 時効

 

 時効とは

時効には、時間の経過によってそれまで有していなかった権利を得る取得時効と、

時間の経過によってそれまで有していたはずの権利を失う消滅時効とがある

 

 取得時効

 

物を一定期間継続して占有するとその物の権利を取得できること

時効の成立によって権利を取得する

 

下記に該当するものは時効取得できる

・所有権

・地上権

・地役権

・不動産賃借権

(継続的用益という外形的事実が存在し賃借の意思に基づくことが客観的にヒョイ右舷されているとき)

(他人の家に住み続け、そのか間も賃料を支払い続けているような時に賃借権の時効取得が認められる)

 

 

 

時効期間

 

民法 第162条】
①20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
②10年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。

 

・占有開始時に善意無過失の場合は10年

・善意有過失・悪意の場合は20年

この期間、占有を継続すると権利を得ることができる

 

※占有開始時期には善意無過失だったが、途中で他人のものだと気づいた(悪意)場合

占有開始時に善意無過失であれば、時効期間は10年

 

※占有の開始時期から期間を計算する、この計算を始める時点を「起算点」という

  

 

 

所有権の取得時効

民法 第162条】
①20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
②10年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。

 

 

 ※「所有の意志をもって」とは、あくまでも自分の所有物であるかのように平穏かつ公然と占有するケースを表す

所有の意思の有無は主観的にではなく、占有取得の原因事実により、外形的・客観的に判断される

(例)

売買契約で家を取得した場合

客観的にその家を「自分のもの」として持つことになる

これは「所有の意思がある」と判断できるので、取得時効にかかる

 

 

※借りて住んでいる場合は所有権の取得時効には含まれない

(例)

Bの家をAが借りている場合

これは借りているのであり、占有しているわけではない

客観的に「他人のもの」として持っている状態

これは「所有の意思がある」とは言えないので、Aは所有権を時効取得することはできない

 

※所定の年数を自身で占有し続けなければならないという決まりはなく、他人に貸していたとしても占有を継続したものとみなされる

 

※占有を継続すれば取得時効が成立するので、一筆の土地の一部のみの取得時効も認められる

 

 

占有の承継

AはC所有の土地について、善意無過失で占有を開始した

7年後に、AはBにこの土地を売却した

Bはこの土地が、実はCの所有であることを知っていた(悪意)

Bはあと何年この土地の所有を続ければ、時効取得することができるか??

⬇︎

・占有開始時に善意無過失の場合は10年

・善意有過失・悪意の場合は20年

 時効期間は上記のように定められているので、Bは占有時に悪意であるので、Bの占有だけを考えると20年間が必要

⬇︎

しかし、Bより前の占有者Aからの占有をBが引き継いでいる状態なので、

BはAの占有期間も合わせて主張することができる

 

※占有を承継するときは、その瑕疵も一緒に引き継ぐ

ここでいう「瑕疵」は善意無過失や悪意等のこと

 

Aは占有開始時に善意無過失のため、BはAが占有開始時の善意無過失と、Aが占有していた期間の7年を承継することになる

善意無過失の場合の時効取得は10年間なので、Bはあと3年占有すれば、取得時効が完成する(Aが占有していた7年間と合わせて10年となる)

 

 消滅時効

 

時間の経過によって、ある権利が消滅してしまうことを指す

債権と所有権以外の財産権が、時効により消滅する

 

下記のものは時効により消滅する

・金銭債権等を請求する権利(債権)

・地上権

・地役権

・不動産賃借権

一般的に10年が経つと消滅時効が成立する

 

一定期間が経過しただけでは、時効の効果は発生しない

当事者の援用が必要(時効利益を受ける意思表示が必要)

 

 

※所有権は消滅時効にかからないので注意

⬇︎ 

(具体例)

本人Aが自宅ではない、実家のある土地を相続した

Aはこの土地を10年間見に行かずに放置していたが、それによって土地の所有権が消えることはない

(毎年固定資産税も課税されており、ただ使用していないだなので、所有権は土地所有者のAにあるのが当然)

 

もし所有権に時効があって、その土地を使用していなければ所有権が消滅するとなれば、公平性が保たれない

 

このような状況があるため、所有権は消滅時効にかからない

 

 

※所有権が消滅する場合

⬇︎

本人Aが、上記の土地を30年間放置していた

その間にBがその土地に建物を建てて20年以上住み続けたため、取得時効が完成した

Bの取得時効の完成により、Aの所有権は奪われることになる

 

※この場合は、あくまでBの取得時効の成立によって、Aの所有権が奪われたのであって、

消滅時効によって所有権が消えたのではない

 

「所有権は消滅時効にかからない」という意味を理解しておくこと

 

 

消滅時効の時効期間と起算点

どんな権利が、どれぐらいの期間で消滅するのか

 

 

債権が消滅する時効期間

 

原則

①債権者が権利を行使することができることを知った時から5年

②権利を行使することができる時から10年

 

※5年か10年のどちらか短い方

 

例外

人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求は

債権者が権利を行使できることを知った時から5年

権利を行使することができる時から20年

 

※5年か20年のどちらか短い方

 

 

債権又は所有権以外の財産権が消滅する時効期間

(地上権、永小作権、抵当権等)

権利を行使することができる時から20年

 

※前述の通り、所有権は消滅時効にかからない、かかるのは取得時効のみ

 

※抵当権は、債務者および抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しない

 

※権利を行使できる時からカウントするのはなぜか??

権利を行使できるのに、それをしないのは「権利の上に眠っている」と言える

権利の上に眠っている人は保護するに値しないと判断されるので、いつから眠っていたかが基準になる

 

 

いつから権利を行使できるか

・確定期限付きの債権(10月1日に代金を支払う)

→ 期限が到来したとき

 

・不確定期限付きの債権(父が死んだら代金を支払う)

→ 期限が到来したとき

 

停止条件付きの債権

→ 条件が成就したとき

 

・期限の定めのない債権(売買の目的物の引き渡し時期を定めていない)

→ 債権が成立・発生した時

 

 

判決で確定した権利の消滅時効

 確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利の消滅時効期間mは、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、確定の時に弁済期の到来していない債権を除いて10年になる

 

判決などの後、それを放置した場合に、短い期間で時効消滅を認めると、

せっかく訴訟を提起して、裁判官が判断を下したことが無駄になってしまうため、10年という長い期間が定められている

 

 

時効の完成猶予と更新

 

①時効の完成猶予とは

その期間は時効が完成しない

時効の進行中に訴えが提起され、権利行使の意思が明らかになった場合等に認められる

 

・時効の完成猶予の事由

裁判上の請求・仮差し押さえ・催告・協議を行う旨の合意

これらの手続事由が終了するまでの期間は、時効は完成しない

催告の場合、催告の時から6ヶ月経過するまでは、時効は完成しない

 

 

②時効の更新

時効が新たにその進行を始めること

確定判決によって権利が確定した場合等に認められる

更新が生じると、それまで進行していた時効期間はリセットされる

 

・更新事由

裁判上の請求や承認などがある

承認(借金があることを認めた)の場合、時効は承認の時から新たにその進行を始める

 

 

 場合別の時効の完成猶予と更新事由

 

裁判上の請求・支払い督促等

・時効の完成猶予

裁判上の請求等の手続事由が終了するまでの間は、時効は完成しない

(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合は、その終了の時から6ヶ月を経過するまでは時効は完成しない)

 

・時効の更新

確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定した時は、時効は、裁判上の請求等の事由が終了した時から、新たにその進行を始める

 

 承認

・時効の更新

 権利の承認があった時は、時効は、その時から新たにその進行を始める

※承認をするには、相手がたの権利についての処分につき、行為能力の制限を受けていないこと、又は権限があることを要しない

 

 仮差し押さえ等

・時効の完成猶予

仮差し押さえ等が終了した時から6ヶ月を経過するまでの間は、時効は完成しない

 

催告

・時効の完成猶予

催告の時から6ヶ月を経過するまでの間は、時効は完成しない

催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告は、時効の完成猶予の効力を有しない

 

協議を行う旨の合意

・時効の完成猶予

権利についての協議を行う旨の合意が、書面又は電磁的記録でされた時は、一定の時までの間は時効は完成しない

一定の時(例)→合意があった時から1年を経過した時

 

未成年者 

・時効の完成猶予

(例)

時効の期間の満了前6ヶ月以内の間に、未成年者又は成年被後見人法定代理人がいない時は、その未成年者が行為能力者となった時、又は、法定代理人が就職した時から6ヶ月を経過するまでの間は、その未成年者等に対して、時効は完成しない 

 

 時効完成の効力

 

1 時効の利益を受けるためには

時効の援用が必要

時効の援用→私は時効の効果を受けますと告げること

 

※時効の援用ができるのは当事者のみ

※時効の恩恵を受けるかどうかは、当事者の意思に任されている

 

消滅時効の場合に援用ができる人は??

権利の消滅について政党な利益を有する者が援用できる

「債務者」

「保証人」

「物上保証人」その債権の担保として抵当権が設定されている場合

「第三取得者」その債権の担保として抵当権が設定されている場合

 

 

消滅時効の場合に援用ができない人は??

後順位抵当権者は先順位抵当権者の非担保債権の消滅時効を援用することができない

 

 

 

2 時効の援用の効力はいつから発生するか

起算日に遡って発生する

(例)

取得時効の場合なら、要件を満たす「占有を始めた時」から、時効取得者のものになる

 

 

3 時効の利益の放棄

「時効の利益を受けません」と告げること

 

・時効の完成前に放棄することはできない

時効制度が無視されることのないように、時効の完成前には、時効の利益の放棄はできないことになっている

 

※時効完成前に、特約として「時効の利益を放棄すること」を約束していても、その特約は無効

 

 

・時効の完成後に放棄をする時は

時効の完成後に、当事者が時効の利益を放棄することが原則

その効果は、各当事者の意思が尊重されることが重要視されている

そのため、時効の利益の放棄の効果は、放棄した者との関係でのみ生じる

消滅時効の完成後に、重たる債務者が時効の利益を放棄した場合でも、別途、保証人は時効を援用することができる

 

 

 

4 消滅時効の完成後に債務者が債務の承認をした場合

消滅時効の完成後に、債務者が債務の承認をした場合は、もし債務者が時効完成の事実を知らなかったときでも、信義則上、消滅時効を援用することは許されない

この場合、債権者は「債務者はもう時効の援用をしないだろう」と考えるのが普通だから

⬇︎

消滅時効が完成した後に

債務者は自身の債務を承認した(お金を返すなどの責任があることを認めた)

債務者が時効が完成して、もう支払いをしなくてもいいという事実を知らなくても、

債権者の方は、「債務者は自身には支払いをする義務があると認識している、支払いをするつもりがある」と判断するので、

後になって「やはり時効が完成していたから、支払いたくない」と債務者が主張することは認められていない

 

 

民法等4−3 贈与契約

 

贈与契約とは

 他人から物をタダでもらう場合も、贈与契約という契約を結んだ結果、物を取得することになる

もらう側にとっては無償の契約

契約成立の原則通り諾成契約

書面は不要 

 

贈与契約の性質

 

 無償で与える契約が、贈与契約の特徴

 

(1)書面によらない、口約束でした贈与は、履行の終わった部分をのぞいて、各当事者が解除することができる

 

履行が終わった部分や、書面で行った場合は、贈与する意思がはっきりしているため解除はできない

 

 

(2)タダであげるので、贈与者(あげる人)は、原則として、目的物が特定された時の状態で引き渡せば、受贈者(もらう人)から担保責任を問われない

 

ただし「もらう人も一定の負担を負う」という負担不贈与の場合は、贈与者は、その負担の限度で、売主と同様の担保責任を負う

 

 

民法等4−2 請負契約

 

請負契約とは

家を作って欲しい注文者A

家の建築を頼まれた請負人B

 

請負契約とは、、、

注文者が請負人に対してある仕事を完成させるように依頼し

その仕事の結果に対して、報酬を与える契約のこと

 

請負契約の目的と本質は、、、

仕事を完成させること

 

(1)報酬支払い義務

請負契約が結ばれると、、、

注文者Aには報酬支払い義務が生じる

請負人Bには仕事完成義務が生じる

 

請負人Bは先に仕事を完成させ、その後に報酬を請求できる

目的物の引き渡しと報酬の支払い義務は同時履行の関係

 

(2)割合的報酬請求権

仕事が完成しなかった場合、請負人Bは全く報酬を得られない??

⬇︎

請負人Bには割合的報酬請求権が認められている

(部分的に報酬を請求できる)

 

①注文者の帰責事由なく仕事を完成することができなかった場合

②請負契約が仕事の完成前に解除された場合

 

上記に該当する場合、請負人は、すでに行った仕事の結果のうち、

可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、

(分割できる部分を注文者に引き渡し、それによって注文者が利益を得るとき)

その部分については仕事が完成したものとみなされるため、

請負人はその注文者が受ける利益の割合に応じて、報酬を請求することができる

 

 

(3)注文者の契約解除権 

注文者Aにとって建物が不要になってしまった場合

注文者Aは、請負人Bが仕事を完成させる前であれば、契約を解除することができる

 

※注文者Aからの契約解除によって、請負人Bに損害が生じた場合は、注文者Aは損害賠償をする必要がある

これが注文者の契約解除権

 

契約不適合の場合の請負人の担保責任

 請負人が契約内容に適合しないものを作った場合に、請負人が負わなければならない責任

 

1 目的物の種類・品質に関する担保責任

請負契約は有償契約なので、売買においての目的物の契約不適合の規定が準用されている

仕事の目的物が、種類品質に関して契約の内容に適合しない場合は、注文者は請負人に対して下記の3つを請求できる

 

(1)追完請求権

注文者は原則、請負人に対して、目的物の補修などの履行の追完を請求することができる

 

※契約不適合が重要なものでないのに、補修にかかる費用が可分すぎるなどの場合

→取引上の社会通念に照らして補修が不能であるときは、追完請求は認められない

 

 

(2)報酬減額請求権

注文者が相当の期間を定めて履行の追完の催告をしたが、その期間内に履行の追完がない場合

注文者は原則として、その不適合の程度に応じて報酬の減額請求をすることができる

 

 

(3)損害賠償請求権・契約解除権

①注文者は原則として、契約内容の不適合を理由に、請負人に対して損害賠償請求をすることができる

 

・注文者ができること

追完請求の代わりに損害賠償請求をすることができる

追完請求とともに損害賠償の請求をすることができる

 

(例)

修補が不能、直すことができない場合は、修補に代わる損害賠償請求が認められる

 

 

②注文者が請負人に修補するように催告したが、相当期間を経過しても修補されない場合は、注文者は原則として、請負契約を解除することができる

 

(例)

契約内容に適合しないために、契約の目的を達成できない場合

→催告なしで解除することができる(無催告解除)

 

 

2 担保責任の制限

 

注文者が自ら提供した材料や指示のために、仕事の目的物が契約内容に適合しないものになってしまった場合

⬇︎ 

請負人は担保責任を負わない

 

※ただし請負人が、その材料や指示が不適合であることを知りながら、ちゅうもんしゃにい告げなかった時は、請負人は担保責任を負う

 

 

3 担保責任の期間の制限

 担保責任の期間の制限→1年

 

・注文者が契約不適合を知った時から1年以内に、その旨を請負人に通知しなかった場合

注文者はその不適合を理由として、履行の追完請求・報酬の減額請求・損害賠償請求・契約の解除をすることはできない

 

※仕事の目的物を注文者に引き渡した時などに、請負人がその不適合を知っていた、または重大な過失によって知らなかった時は、この1年という期間の制限を受けない

(1年経過していても、注文者は請負人に対して上記の請求ができる)

 

 

4 特約について

 「仕事の目的物が契約の内容に適合しない場合における担保責任を負わない」という特約

当事者間において合意で決めたことは有効

※請負人が知っていたにもかかわらず告げなかった事実等については、請負人はたとえ特約があっても、担保責任を負わなければならない

 

民法等4−1 委任契約

委任契約にはどのような権利や義務が発生するのか

どのように委任契約が終了するのか

 

委任契約

AはBに、この土地を売って欲しいと依頼した

依頼したA→委任者

依頼を受けたB→受任者

 

土地の売買契約などの法律行為を依頼する契約のことを委任契約という

(仕事を頼み、頼まれる契約)

 

準委任契約

土地の管理等の事実上の行為を依頼すること

 

委任契約についての事柄は、準委任契約にもそのまま当てはまる

  

受任者の義務

 

1 善管注意義務

 

善管注意義務とは

善良なる管理者の払うべき注意義務

より慎重に注意を払う義務を負うということ

職業や地位に応じて相応の思慮分別を要求される義務と言い換えることができる

職業や地位に応じてというのは、客観的な判断による

 

(例)

不動産(アパート)の賃借人(借りた人)は、借りた不動産に対して善管注意義務を負う

これはアパートの部屋を使用する際に、自分の持ち物と同じような雑な扱いをしてはいけないということで、他人から借りている以上、慎重に注意を払って使わなければならないという義務

 

宅建で自己の財産に対するのと同一の注意が出題されるのは「無償寄託」についてのみ

 

 

・無償寄託とは

報酬を受け取らずにタダで何かを預かるという契約

 

(例)

引っ越しが済むまで大量の本を預かっていてほしいと友人が依頼してきた

このとき預かった側は、自分の持ち物と同様の注意を払って管理をすればいい

したがって、雨が続いても本にカビが生えないようわざわざ風通しの良い場所に移動しなくてもいいし、臭いがうつらないよう特別に何か配慮しなければいけないというわけでもない

(通常自分の本に対して、そこまで気を配ることはないため)

 

無償で預かってあげている以上、さらに注意まで払う義務を課すのは、預かった側にとってあまりにも酷だからという理由による

 

一方「有償」で寄託を受けた場合は、自己の財産に対するのと同一の注意は適用されず、善管注意義務が適用されることになる

 

 

・委任における善管注意義務

受任者の義務として、善管注意義務を負う

「委任は無償でも善管注意義務を負う」

 

「寄託」では、有償の場合のみ善管注意義務を負う

しかし委任においては、そもそも報酬が支払われないものと解されている

 

❝1.受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない。(以下省略)民法第648条(受任者の報酬)❞

 

もともと無償の場合を想定して善管注意義務が課されているため、無償でも有償でも、委託の場合は善管注意義務を負うこととなる

 

 

・使用貸借で借り受けた場合の善管注意義務

使用貸借(無償)で借り受けた場合も、善管注意義務を負う

 

賃貸借の考えでは借主の主な義務

①賃料支払い

善管注意義務

③用法順守義務

④目的物返還義務

 

普通の貸借はすべての義務を負う

使用貸借は①賃料支払い以外のすべての義務を負う

もともと善管注意義務は法律の概念で義務化されていたため、使用貸借でも善管注意義務となる

 

2 自己執行義務

受任者は、委任事務を自ら行わなければならないのが原則

受任者は委任者の許諾を得た時、またはやむを得ない事由がある時でなければ、

復受任者を選任することができない

 

 

3 報告義務

受任者は委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理状況を報告し

委任事務終了後は遅滞なく、その経過や結果を報告しなければならない

 

 

4 受取物引渡義務

受任者は、委任事務を行うにあたって受け取った金銭・物等を委任者に引き渡さなければならない

委任者のために受任者の名前で取得した権利も移転しなければならない

 

※金銭、物、権利は全て委任者のものだから

 

 

5 金銭消費責任

受任者は、委任者に引き渡すべき金銭を自分のために使ったときは

その使った時からの利息をつけて、さらに損害があれば損害賠償もした上で引き渡さなければならない

 

受任者の権利

 

1 特約があれば報酬を請求できる権利

(1)報酬請求権 

原則、委任契約は無償

「報酬あり」の特約があれば、受任者は委任者に報酬を請求することができる 

 

(2)報酬の支払い時期

特約で報酬ありの委任契約をした場合

報酬の支払い時期は2パターン

 

①履行割合型

事務処理を行ったことに対して報酬が支払われる

当事者間に特に定めがなければ、報酬の支払いは後払い

 

②成果完成型

事務処理により得られた成果に対して報酬が支払われる 

その成果が引き渡しが必要なものである場合は、受任者は、その成果の引き渡しと同時に、委任者に対して報酬の支払いを請求することができる

 

 

2 費用償還請求権・費用前払請求権

・費用償還請求権

必要費を受任者が委任者の代わりに(立替えて)支払っている場合 

この費用は委任者に対して請求できる

支払った額と、支払いをした日からの利息を償還請求できる

 

・費用前払請求権

 受任者が委任事務のための費用を必要とする場合

受任者は委任者に対して必要費の前払を請求できる

 

 

3 損害賠償請求権

 受任者が委任事務処理をするにあたって、自分に過失がないのに損害を受けた場合

受任者は委任者に対して、その損害の賠償を請求することができる 

 

この場合の委任者の義務は無過失責任

※委任者に落ち度がない場合でも、責任を負わなければならない

 

委任契約の終了事由

 

1 告知による契約解除による終了

委任契約は委任者と受任者の信頼関係で成り立つ

 

信頼関係が破綻した場合の委任契約は

・各当事者が

・いつでも

・告知によって

契約解除することができる

 

※委任契約の解除は、その解除の効果は過去に遡及しない、将来に向かってのみ、その契約の効果がなくなる

(すでに起こっていることに対しては解除の効果が及ばない)

 

 

基本的にはいつでも解除できるが、下記に当てはまる場合は、損害賠償をしなければならないことがある

①相手方にとって不利な時期に契約解除した場合

②委任者が受任者の利益をも目的とする場合

 

※ただしやむを得ない事情があって解除する場合は、この2点に該当していても、損害賠償をせずにすむこともある

 

 

2 委任者・受任者に一定の事由が生じた場合の契約終了

 

 ※任意代理の消滅事由と同じ

 

・委任者が

死亡したら契約終了

破産手続き開始が決定したら契約終了

 

・受任者が

 死亡したら契約終了

破産手続き開始が決定したら契約終了

後見開始の審判を受けたら契約終了

 

民法等3−3 借家権(借地借家法)

 

借家権

借地借家法の適応を受ける建物に関する賃借権のこと

建物を借りて住む、賃貸住宅に住むことに関する規定

 

(例)

家の所有者A、借家人BAの家を借りているBは借家人

Bの持つ「生活に関わる家を借りる権利」が「借家権」

 

借地借家法は、借家人を保護するために定められている

 

※夏季の貸別荘、展示会場などの明らかに一時的な使用目的の建物の賃貸借は、保護の必要が低いので、借地借家法は適応されない

 

※タダで貸す使用貸借も借地借家法は適応されない

 

定期借家権

定期建物賃貸借

契約の更新がなく、当初の存続期間が満了すると確定的に終了する借地権のこと

契約が終了したら必ず明け渡しとなる

 

契約期間を確定的に定めた上で、公正証書等の書面によって契約することが必要

 

契約書とは別にあらかじめ書面を交付して、契約の更新がなく、期間の満了とともに契約が終了することを借り主に説明しなければならない

 

貸主がこの説明を怠ったときは、その契約は定期借家としての効力はなくなり、普通借家契約となる

 

居住用建物の定期借家契約では、契約期間中に、借り主に転勤、療養、親族の介護など、やむを得ない事情が発生し、その住宅に住み続けることが困難となった場合には、借り主から解約の申し入れができる

※この場合、解約の申し入れの日から1ヶ月が経過すれば契約終了

※この解約権が行使できるのは、床面積が200㎡未満の住宅に居住している借り主限定

(中途解約に関して個別に特約を結ぶことは可能)

 

契約期間が1年以上の場合は、貸主は期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に、借り主に契約が終了することを通知する必要がある

(貸主と借り主が合意すれば、再契約することは可能)

 

定期借家制度は、平成12年3月1日から施行されている

それより以前に締結された住宅の普通借家契約は、借り主を保護する観点から、借り主と物件が変わらない場合、当分の間、定期借家契約への切り替えは認められていない

 

借家権の存続期間と更新等

 

1 存続期間を定める場合

(1)存続期間

存続期間は民法の規定では→50年

 

借家に関してはこの民法の規定は適応されない→50年を超えることができる

(60年、70年と定めれば、そのようになる)

 

※1年未満の短い期間を定めた場合

期間の定めのない賃貸借契約とみなす

(定期借家の場合は覗く)

 


(2)契約の更新

・契約期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に、更新拒絶の通知等がないと、従前の契約と同一の条件で更新される

(契約期間については期間の定めのない契約となる)

 

・契約期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に、家主が正当事由のある更新拒絶の通知等をしたが、借家人が使い続けている場合、家主が何も異議を述べなければ、そのまま更新される

 

・賃貸人(家主)からの更新拒絶には正当事由が必要

(借家人を保護するため)

 

 

 

2 存続期間を定めない場合

契約期間が決まっていない場合は、お互いからの解約申し入れによって終了する

 

・家主からの申し入れ

正当事由、6ヶ月の猶予期間が必要

 

・借家人からの申し入れ 

 民法が適応されるので、正当事由は不要、猶予期間は3ヶ月あれば良い

 

借家権の譲渡・転貸借

 

借地の場合、借地上の建物の借地権の譲渡・転貸について、所有者に代わる裁判所の許可の制度があったが、借家権にはそのような制度は無い

必ず、所有者(家主/賃貸人)の承諾が必要

 

※建物や家の場合、丁寧に扱うか雑に扱うか、借り手によって使用方法が異なるため、

家主が承諾したく無いものを、裁判所が代わって承諾するのは、家主に不利益だから

 

(例)

家の所有者A(賃貸人)

Aの家を借りているB(賃借人)

Bから家を借りたC(転借人)

 

AB間の賃貸借が期間満了や解約申し入れで終了する場合

転借人Cを保護する観点から、賃貸人Aは転借人Cに対して通知をしなければならない

AがCに対する通知をしなかった場合は、Cは家を出て行かなくても良い

AがCに通知をすると、6ヶ月後に、BC間の転貸借契約が終了する

 

造作買取請求権

 

・借家人(転借人も含む)が、家主の承諾を得て、エアコンなどの造作を取り付けた場合

借家契約が期間満了または解約申し入れによって終了するとき

借家人は家主に対して、造作したものを時価で買い取って欲しいと請求することができる

これが造作買取請求権

 

※定期建物賃貸借契約でもこの造作買取請求権は認められている

 

※造作買取請求権が認められるのは、期間満了と解約にでの終了に限定されている

 

債務不履行で終了する場合は、造作買取請求権は認められない

 

 

 

??なぜ造作買取請求権が認められているのか??

⬇︎

借家人が投下した資本の回収のため

 

 

造作買取請求権を排除する特約は有効

もし賃借人が造作を取り付けたとしても、家主はそれを買い取りませんということ

 

??造作買取請求権を排除する特約は、借り手に不利となるのに、なぜ有効なのか??

⬇︎

造作買取請求権があるせいで家主が承諾してくれず、借り手が造作をつけられないことになると、それはかえって借り手の不都合になるため

(エアコンを設置できないなど、生活が不便になる)

 

※定期建物賃貸借契約でもこの造作買取請求権排除の特約の設定は認められている

 

 

借家権の対抗要件

 

A所有の家をBが賃借している

Aはこの家をCに売却した

Cはこの家に自ら居住したいと考えている

Bはどうすれば、Cに対して賃借権を対抗できるか??

⬇︎

Bは家の引き渡しを受けていれば、Cに対抗できる

すでに引き渡しを受けて住んでいる状況であれば、退去しなくても良い 

 

借地上の建物の賃貸借

 

・BはAから土地を借り、そこに家を建てている

Bがその家をCに賃貸した場合、土地の利用権の譲渡・転貸になるか??

⬇︎

土地の利用権の譲渡・転貸にはあたらない 

※Cは単に家を借りて住むだけであり、借地人Bと別に独立して土地を使用する訳では無い 

 

 

・Bの借地権が存続期間の終了によって消滅するとき、Cは退去しなければならないか??

⬇︎

・Cが期間満了の事実を、その1年前までに知っていた場合

 明け渡しをしなければならない

 

・Cが期間満了の事実を、その1年前までに知らなかった場合

Cは裁判所に請求をして、Cがそのことを知った日から1年以内の範囲で、土地の明け渡しに相当の期限を得ることができる

(引っ越しをするための猶予を得ることができる)

 

※Bの借地権が定期借地権であった場合でも、Cは上記と同様のことができる 

 

居住用建物の賃貸借の承継

 

・借家人が、相続人なしに死亡した場合

 事実上の夫婦or養親子にあった同居者は、借家人の権利義務関係を引き継ぐ

 

※内縁の妻のような同居人を保護するため

 

※これに反する特約でも有効

(内縁の妻や養親子には権利義務を引き継がないという特約)

 

 ・内縁の妻などが、家を引き継がずに出て行きたい場合

 内縁の妻などは、相続人なしに借家人が死亡したことを知った時から1ヶ月以内に、

家主に対して反対の意思表示をすれば、承継しない

 

強行規定

 

契約は、公序良俗に反しない限りは原則自由だが、どんな内容でも売主買主間で自由に取り決めできるというわけでは無い

 

任意規定

売主買主間で任意に取り決めた事項を、特約で契約すること

 

強行規定

不動産取引において、知識の差は大きい

プロである不動産業者が売主、一般消費者が買主となる契約の場合、

売主に有利となる契約を、買主が契約書に記名押印したから全て有効だとすると、買主に不利益が生じる可能性がある

これを防ぐために、法律に反する契約は無効となる

この仕組みが強行規定 

 

・不動産取引での強行規定

宅建業法や借地等での契約であれば借地借家法強行規定の条項が定められている

宅建業法や借地借家法は特別法であり、その条文の中の規定に反する取り決めは無効とされている条項がある

 

 

※定期建物賃貸借の更新規定の排除を除く

※存続期間、更新、譲渡・転貸、借家権の対抗要件、借地上の建物の賃貸借などに関する借地借家法の定めよりも借家人に不利な特約は無効

※造作買取請求権は強行規定ではない

※居住用建物の賃貸借の承継も強行規定ではない

 

定期建物賃貸借等

 

・更新がない借家権

・利用目的の制限もない 

 

※更新がないので、一定期間がたてば確実に出て行ってもらえる、家主は貸しやすいし、家賃の変更もしやすい

 

1 定期建物借地権 

 (1)

期間の定めが必要

期間は20年でも1年未満でもOK

(普通の借家契約と異なり、6ヶ月と決めれば6ヶ月になるということ)

 

(2)

契約は必ず書面で行う 

更新がないという重大な決まりがあるため、行き違いのないように書面が必要

公正証書である必要はない 

 

(3)

賃貸人は、契約を締結するにあたって「更新がなく一定期間が経てば借家契約が終わる旨を記載した書面」を使って説明する必要がある 

この書面がない場合は、「更新がない」旨の定めが無効となる

更新が認められる普通の借家契約になる

 

※この書面は契約書とは別で、独立した書面で用意しなければならない

※借家契約全体が無効になるのではないことに注意

※更新がないという契約が無効になり、更新が認めらるようになる

 

(4)

契約の終了にあたっては、家主から通知をしなければならない

期間が1年以上の定期建物賃借権の場合は、1年前から6ヶ月前までの間に家主の方から通知をする

この通知をしなければ、家主は終了を対抗できない

※賃借人が新しく住む家を探す必要があるため、期間が設定されている

 

(5)

賃借人が、転勤や療養などのやむを得ない事情で退去する時

・床面積が200㎡未満の居住用建物であること

・やむを得ない事情で借家を本拠地として使用できないこと

この2点に該当すれば、賃借人の方から中途解約をすることができる

 

(6)

(4)と(5)に反する内容で、借家人に不利な特約は無効

 

 

2 取り壊し予定建物の賃貸借

契約や法令によって、一定期間が経てば取り壊される予定のある建物の賃貸借

(契約→定期借地上の家など)

(法令→土地区画整理事業の区域内の家など)

 

・取り壊す時に契約が終了する

・取り壊す事由を記載した書面で締結する

 

地代・家賃の増減額請求

 

 地代や家賃を増額する、減額する請求については、借地と借家の両方でほぼ同じ内容

 

 (1)経済事情の変動で土地の価格が不相応になった場合

当事者は、将来に向かって、地代や家賃の増額や減額を請求することができる

 

・一定期間増額しない旨の特約がある場合

 その期間は増額の請求はできない

 

・一定期間減額しない旨の特約がある場合

減額の請求は可能

 

(2)増額、減額の金額の決定

 

増額請求

・家賃1ヶ月10万円の契約をしている場合

家主→15万円に増額したい

借り手→12万円が妥当だろう

 

この場合、借主は12万円を支払えば足りる

 

しかしその後の裁判で15万円と決定した場合は、

増額請求が行われた時点以降分の家賃が増額されることになる

 

 

・12万円しか支払っていなかった場合に借り手が支払う金額

1ヶ月あたりの不足分3万円×月

年1割の利息 

この2つを合わせて支払う

 

 

※減額請求の場合は、増額請求の逆

※家主が借り手に返還する

 

 

 

 

民法等3−2 借地権(借地借家法)

 

借地借家法

法的弱者である借主を保護するために、民法よりも手厚く保護できるように定められた法律

民法では契約は原則自由だが、不動産賃借は生活の基盤であり、弱者の借主が不利な契約をさせられることを防ぐ目的で定められている

 

借地権

借地権とは、、、

建物の所有を目的とした地上権土地賃借権の2つのこと

(使用賃借は含まない)

 

・実際に建物を建てる人と土地を保有している人が違うときには、「借地権」を設定する必要がある

 

・借地権が設定された土地に建物を建てると、土地は土地を所有する人の物、建物は建てた人が所有する物という法的な区別がしっかりとできることになる

 

・臨時使用などの一時的な使用のために設定されていることが明確な場合

一定の借地借家法の定め(存続期間・更新・再築・更新拒絶の場合の建物買取請求権など)は適用されない

※短期使用の場合は、借地人保護の必要性が低いため 

 

借地権設定者→ 土地の所有者

借地権者(借地人)→土地を借りた人

 

 

・地上権

他人の土地で建物や竹木を所有するために、その土地を使用する権利のこと

地上権は、土地の賃貸借契約よりも強い権利

 

三者への譲渡、転貸

地上権を設定した借主は、地主の承諾を得なくても地上権を登記して第三者に譲渡したり、賃貸したりすることが自由にできる

(土地に対して強い権利を持つ)

 

地上権の登記

借地権の所有者が地上権を希望した場合、地主は地上権の登記に応じる義務がある

登記簿には、地上権設定と記載される

登記簿を見れば地上権が設定してある物件であることがすぐに分かる

 

地代、賃料

地上権は地代を払わない契約でも成立するが、実際には地代を払う契約がほとんど

 

存続期間 

地上権は永久とすることも可能

 

 

 

・土地賃借権 

土地の賃貸人の承諾を得た上で、土地を間接的に支配する権利のこと

建物の利用目的が終われば、土地を土地の所有者に返すことが前提の契約

建物の改築やリフォームなど、耐用年数を伸ばす行為を行うときには地主の許可を得なければならない

 

三者への譲渡、転貸

三者への譲渡や賃貸をするときは、地主の承諾が必要

 

土地賃借権の登記

地主の承諾が必要

地主には登記の協力義務はない

(借地権者が所有する建物の登記をすれば、貸借権と同様の権利が得られるため)

 

地代、賃料

貸借権は必ず賃料の取り決めが必

 

存続期間 

民法上の存続期間

存続期間の設定は20年が限度(都度更新をすることができる)

期間の定めのない契約の場合、解約申入れ後1年で終了

 

借地借家法上の借地権の存続期間

下記に記載

宅建試験では、民法の規定ではなく、借地借家法の規定で回答する

 

 

 

※地上権は「物権」 土地の賃借権は「債権」

物権は誰に対しても権利を主張できる(そのものに対しての権利を持っている)

債権は土地の所有者に対してのみ権利を主張できる(契約内容のみに権利を持っている)

この性質の違いから、上記のような違いが生まれる

 

※地上権と土地賃借権、実際に採用されるのは??

土地賃借権の採用が多い

地上権は、土地の所有者がいても、その土地の上に建てられている建物部分の支配権はほぼ地上権所有者が持つことになり、土地の所有者に対しては不利な面が多すぎるため

賃借権の場合、土地の所有者が変わったとしても、その建物を登記していれば貸借権は有効なので、賃借権の方が両者にとって不便が少ない

 

※では地上権はどのような場合に設定されるのか??

土地の上に建物が建っていて、さらにその上に鉄道の高架や高速道路が建てられたり、地下には地下鉄が走っていたりする場合がある

このような高架の鉄道や高速道路、地下鉄線路などに地上権が設定されていることが多い

地上権を持つことで、土地を所有しているのとほぼ変わらない権利になるため、鉄道や道路の補修なども土地の所有者の承諾を得なくても、鉄道会社などが独自の判断で補修を行うことが可能になる

 

 

借地借家法における借権と借権の違い

借主を保護する必要があるなら「借地借家法」において、借地と借家の双方に同じ制度を設ければ足りるとも考えられる
しかし実際は、借地と借家の両者は異なる内容の法律となっている

??なぜか??

⬇︎

借地、借家共に借主保護の必要があるが、その保護の必要性の程度が異なる

 

借主が無理やり追い出された場合の比較

・借家の場合

次に移るべき建物を探し、そこへ引っ越しをすれば足りる

 

・借地の場合

何も建っていない土地(更地)を借り、そこに建物を建てて住んでいた場合は、その土地を返す際に、元通りの更地にして返さなければならない

借主は次に移るべき建物を探して引っ越しをし、さらに、わざわざ建てた建物を壊さなければならない

建てた建物が無駄になり、かつ、壊す費用がかかるため、借地人の不利益が大きい

⬇︎

借家人に比べ、借地人の方をより保護しなければならない

借地の方がより保護されるように、借地と借家で異なる制度を設けている

 

借地権の存続期間

 

・最短期間が定められている

当初の存続期間    最短30年間

最初の更新時     最短20年間

2回目以降の更新時   最短10年間

 

借地権は建物の所有が目的のため、一定の長い期間の存続が必要

期間を定めなかった場合、自動的に上記期間となる

 

当初の存続期間を設定する際に、当事者同士で最短期間よりも長い期間を設定することができる 

 

(例)

当初の存続期間を40年と定める→期間は40年 

当初の存続期間を20年と定める→期間は30年 

 

※借地権では必ず期間が定まるので、特約ない限り、中途の解約申し入れは不可

 

??更新時の20年や10年の期間は、両者の合意で長く設定できる??

⬇︎

できる

 

借地権の更新

 ・最短期間が定められている

最初の更新時     最短20年間

2回目以降の更新時   最短10年間

 

1 合意更新

合意の場合は上記の通り、最初の更新は20年よりも長い期間、2回目以降の更新は10年よりも長い期間で定める

※借地人の保護を図っている

 

 

2 請求による更新

請求による更新の場合も上記の通り、最初の更新は20年よりも長い期間、2回目以降の更新は10年よりも長い期間で定める

※借地人の保護を図っている

 

・建物が現存する場合に限る

建物がない状態では更新する意味がないため

 

・借地権者(借地人)は

期間満了の際に、借地権設定者に請求すれば更新される

 

・借地権設定者は

期間満了の際に、借地人に対して契約打ち切りを、遅滞なく異議を述べることができる

ただし正当事由がなければ、この異議は認められない

 

※この場合の正当事由とは

借地権設定者と借地権者、転借地権者が土地を必要とする事情のほか、借地に関する従前の経過、土地の利用状況、立ち退き料などの借地権設定者が土地の明け渡しの際に支払うべきものがあるかと言った、様々な事情を総合的に考慮して判断される

 

※正当事由が認められやすい場合

借地権設定者がその土地を必要としている度合いが高い場合

(期間満了した以上、借地権設定者が土地を必要としていれば、更新を認めるべきではないから)

借地権設定者が借地権者に対して立退料を支払うといった申し出がある場合

(借地権者に有利)

 

 

 3 法定更新 

法定更新の場合も上記の通り、最初の更新は20年よりも長い期間、2回目以降の更新は10年よりも長い期間で定める

※借地人の保護を図っている

 

・法定更新とは

賃貸借の期間が終わっても建物があるので、借地権者がそのまま土地を使い続けていた場合に、借地権設定者からの正当事由ある異議がない場合は、自動的に更新される

これが法定更新

 

・建物が現存する場合に限る

建物がない状態では更新する意味がないため

 

借地上の建物の再築

 

・最短期間が定められている

当初の存続期間    最短30年間

最初の更新時     最短20年間

2回目以降の更新時   最短10年間

 

 

1 最初の契約期間中の再構築

賃借人B(借地権者)は土地の所有者A(借地権設定者)から

建物所有の目的で期間30年として土地を借り、家を建てていた

25年経過した時点でその家が滅失した場合どうなるか??

 ⬇︎

建物が25年目で滅失した場合、契約期間は後5年残っている

賃借人Bが家を再築した場合に、後5年しか住むことができないのはBに不利

⬇︎

・土地の所有者Aの承諾を得て再築した場合

Aの承諾のあった日

建物が再築された日

 

この2つの日のどちらか早い日から、原則として、契約は20年間存続する

 

※BがAに対して「再築します」と通知を出して2ヶ月たってもAからの異議がなければ、承諾があったと見なされる(承諾の擬制

 

 

2 契約更新後の再構築

賃借人B(借地権者)は土地の所有者A(借地権設定者)から

建物所有の目的で期間30年として土地を借り、家を建てていた

初回の更新をして、存続期間は20年延長されている

その時点でその家が滅失した場合どうなるか??

⬇︎

契約を更新した後に、借地上の建物が滅失し、それを再築した場合

 

土地の所有者Aの承諾がある場合

借地権者Bは再築、地上権の放棄、土地の賃貸借の解約申し入れを選択できる

(Bは30年以上住んでおり、再築しない場合もある)

 

再築したら→20年間期間が延長される(最初の更新と同じ)

 

 

土地の所有者Aが再築を承諾しない場合 

借地権者Bは裁判所に申し立てをして、Aに代わる裁判所の許可を得れば、再築による期間が原則として20年の延長が認められる

※裁判所はこれと異なる期間を定めることができる

(絶対に20年延長されるわけではない)

※更新後の再築は、前述の1と異なり、通知による承諾の擬制は認められない

 

 

土地の所有者Aが再築を承諾しておらず、Bが裁判所の許可を得ずに無断で再築した場合 

AはBに対して、地上権の消滅請求か土地の賃貸借の解約申し入れができる

解約の申入れから3ヶ月の経過により契約は終了する

※Aが解約申入れをしなかった場合、借地権は本来の存続期間を変えず存続期間中有効となる→20年間継続される

  

借地権の譲渡・目的物の転貸借

借地権設定者→ 土地の所有者A

借地権者(借地人)→土地を借りた人B

転貸人/譲受人→Bから土地を転貸/譲受たC

 

(1)

AB間の借地契約の後、Bは借地上に建物を建てた

Bはその建物をCに譲渡した

この場合、建物は土地の利用権がないと存続できないので、借地上の建物を譲渡するときは原則として、借地権も同時に移転する

 

(2) 

・借地権が地上権の場合

Aの承諾がなくてもBはCに借地権を譲渡できる

譲渡や転貸には制限がない(地上権は強い)

 

・借地権が土地の賃借権の場合

 賃借権の譲渡・転貸にはAの承諾が必要

 

・土地の賃借権でBはCに建物を譲渡・転貸したいが、Aが承諾をしない場合

特に不利益がないのにAが承諾をしない場合、Bは裁判所の許可を得れば、譲渡・転貸できる(Aの承諾の代わりに裁判所の許可を得ればOK)

 

(3)

・競売や公売における土地賃借権の譲渡の場合

不利益がないのにAが承諾をしないときは、競売や公売によって取得した者が、Aの承諾に代わる許可を裁判所に申し立てることができる

この申し立てができるのは、競売人等が建物の代金を支払った後、2ヶ月以内に限られる

  

建物買取請求権

 

借地権設定者→ 土地の所有者A

借地権者(借地人)→土地を借りた人B

転貸人/譲受人→Bから土地を転貸/譲受たC

 

 

1 契約の更新拒絶の場合の建物買取請求権

 

Aに正当な事由があり契約が更新されない場合

借地権者Bは期間満了の際に、Aに対して建物を時価で買い取って欲しいと請求することができる

これが建物買取請求権

※Bが投下した資本の回収、社会経済上の損失の防止を目的として定められている

 

Bの債務不履行によって契約が終了する場合

買取請求はできず、Bは自身で建物の撤去をすることになる

 

 

2 第三者の建物買取請求権

CはBから建物を譲り受けたが、Aが土地の賃借権の譲渡・転貸を承諾してくれない

CはAに対して、購入した建物を時価で買い取って欲しいと請求することができる

※この場合のAに対する買取請求は、譲渡人Bではなく譲受人Cが行う

 

借地権の対抗要件 

 

1 建物の登記

AがBに土地を貸し、Bがその上に建物を建てて使用している

土地所有者のAが、この土地をCに譲渡した場合

 

民法では

賃借権の登記があれば、Bは土地を使い続けられるとしている

 

・賃貸借の場合

地上権とは異なり、土地所有者Aは賃借人Bの登記に協力する法律上の義務はない

(Bの登記をしてしまうと、Aの土地の値段が下がりかねないため)

Bは借地権の登記を備えることができず、追い出されることになる

(現実では、民法の規定ではなく借地借家法の規定が適用されるため)

 

借地借家法では、このBの保護を図るために、借地権者Bは借地上に登記した建物を持っていれば、その借地権を対抗することができる

 

この登記はBの建物の登記のため、Aの協力は不要

Bは1人で登記ができる

 

※表示に関する登記は対抗力がないのが原則

しかし判例では、この借地上の建物の登記は、表示に関する登記でも良いとされている

(弱者である借地権者の保護のため)

 

判例では、その建物の登記名義人と借地権者は同じ名義でなければならないとしている

建物の登記が息子名義や妻名義では、登記した建物を持っていることにはならない

 

 

2 掲示による保全

Bはかつて、借地上に自分の建物を建てて、それを自己名義で登記していた

その建物が火事で焼失し、Bは借地上に登記した建物を無くしてしまった

その間に土地を買ったCから待機を求められた場合、Bは出ていかなければならない

 

こういった場合に、Bを保護するために、掲示による保全が認められている

 

Bは土地の見やすい場所に、再築する旨などの一定の事項を掲示(看板を立てる)しておけば、2年間は、新たな譲受人Cに対抗できる

これが掲示による保全

 

※対抗力が認められるのは、もともと建物の登記がされていた場合に限る

 

借地条件の変更および増改築の許可

 

 (1)

建物の種類・構造・規模などを制限する借地条件がある場合で、

事情の変更で、従来の借地条件と異なる建物を所有するのが適当であるにも関わらず、

その変更について当事者間に協議が調わないときは、

裁判所は当事者の申し立てにより、その借地条件を変更することができる

 

(2)

借地権者が既存の建物について、建物の種類を同一のまま増改築することは、

その禁止の特約がない限り、土地所有者の同意なしで、自由に行うことができる

 

※増改築禁止の特約がある場合

土地所有者の承諾がないと増改築はできない

土地の通常の利用上相当な像界V引くについて、当事者に協議が整わないときは、

裁判所は借地権者の申し立てにより、その増改築について土地所有者の代わりに承諾を与えることができる

 

定期借地権

 

(1)一般定期借地権

存続期間  50年以上

目的    自由

要件    公正証書等書面による更新等を排除する旨の特約

建物利用  ・建物買取請求権は排除される

      ・借地人の建物利用は継続されない

消滅    更新がなく期間の満了か建物の土地所有者への譲渡によって借地契約終了

 

公正証書書面→公正証書以外もOK

 

 

(2)事業用定期借地権

存続期間  10年以上50年未満

目的    事業用の建物所有目的のみに限定(居住用は不可)

要件    公正証書による設定契約が必要

建物利用  ・建物買取請求権は排除される

      ・借地人の建物利用は継続されない     

消滅    更新がなく期間の満了か建物の土地所有者への譲渡によって借地契約終了

 

※賃貸住宅事業者が賃貸マンションを建てることはできない

※従業員の居住用の社宅を建てることはできない

必ず公正証書が必要、それ以外の書面ではダメ

 

 

(3)建物譲渡特約付借地権

存続期間  30年以上

目的    自由

要件    30年以上経過の後建物を土地所有者に譲渡する旨の特約

建物利用  借地人の建物利用は原則として継続されない

消滅    更新がなく期間の満了か建物の土地所有者への譲渡によって借地契約終了

 

※上記の特約により借地権が消滅した場合

その借地権者(または建物の賃借人)で、

権利が消滅した後もなお建物の使用を継続している者が請求したときは、

請求の時に、その建物につき、その借地権者(または建物の賃借人)と借地権設定者との間で「期間の定めがない賃貸借」がされたものと見なされる

 

※借地権者が請求をした場合において、借地権の存続期間があるときは

「その残存期間」=「存続期間」となる

 

民法等3−1 賃貸借契約

 

賃貸借契約

 

・賃貸借契約

家賃(賃料)を支払い部屋(目的物)を借りるといった契約

借りる側を「賃借人」

貸す側を「賃貸人」

賃貸契約によってそれぞれに義務(債務)が生じる

 

 

賃貸人の義務

(貸す側の義務)

 

1:目的物を賃借人に使用させる

2:目的物を修繕する

3:費用の償還(賃借人が立て替えた費用を返還する)に応じる

 

・自分が賃借人の立場で契約をしてアパートに住み始めた場合、、、

もしトイレの水が流れなかったりしたら生活に支障が出てしまうので

すぐに修繕する必要がある(必要費

 

・もしそのトイレを賃借人自身が実費で修繕した場合、、、

そもそもそれを直すのは賃貸人の義務なので

賃借人は必要な修繕にかかった費用の全額を賃貸人に対し”直ちに”請求できる

 

※賃借人の責めに帰すべき事由、賃借人の不注意や故意に何かを汚損破損した場合

賃貸人に修繕の義務、費用償還の義務は無い

 

※賃借人は、賃貸人が行う目的物の保存に必要な修繕行為を拒むことはできない

 

※賃借物の修繕が必要な場合で、急迫の事情があるときは、賃借人は自分でその修繕をすることができる

 

 

※有益費

そのものの値打ちを増すのにかかった費用のこと

 

(例)

賃借人が建物に対して修繕を行った結果、その建物の価値が増した

賃借人は賃貸人に対して、かかった有益費の償還請求ができる

 

償還請求するための条件

・賃貸契約終了の時に、その価格の増加が現存していること

・支出額または増価額のどちらか一方を請求できる

(どちらにするかは、賃貸人の選択に従う)

 

賃借人の義務

 

1:賃料を支払う

民法では、賃料は後払いが原則

宅地建物の場合は月末払いが原則

実際の不動産の賃貸実務では、ほぼ、特約をつけて家賃前払いにしている

 

2:目的物を返還する、また、返還の際の”原状回復”義務

・原状回復

借りた当初の状態に戻して返すこと

 

(例)
契約時には綺麗だったドアを、飼い犬がボロボロにしてしまった場合

賃借人がドアの修理代を支払い、綺麗に直してから返還しなければならない

 

※通常の使用によっての損耗や経年劣化については、賃借人はこの義務を負わない

 

3:目的物の善管注意義務(丁寧に扱うのが義務)

善管注意義務

「善良な管理者としての注意義務」という意味

一般社会人として、取引の上で通常要求される程度の注意義務のこと

  

 

賃貸借の終了、更新 

 

・期間に定めのない契約の場合

各当事者はいつでも解約の申し入れをすることができる

 

・期間が定められている契約の場合

その期間満了によって賃貸借が終了する

 

※期間に定めがあっても、契約書に「期間満了時の1ヶ月前までに解約の申し入れがなければ、自動更新とみなす」とした内容が記載されることもある
(一般的な賃貸マンションなどの契約では、自動更新になっていることが多い)

 

※当事者間の合意で契約を更新(継続)することも可能

もし、火事等で目的物そのものが「全部滅失」した場合、賃貸借契約は終了する 

 

不動産の賃借権の対抗要件

 

・賃借権の対抗要件は、賃借権の登記

 

(例)

Aの借りていた土地を、貸主であるBが、Cに売却した

 

・A→Bから土地を借りていた

・B→自分の土地をCに売却

・C→「Aは私の土地から出て行って」

 

この場合、土地の所有権はCに移る

Cが「もうここは私の土地なので、出て行ってください」と言ってきた場合、AがCに対抗するためには何が必要か??

⬇︎

「賃借権の登記」が必要

 

・Aが賃借権を登記していた場合

→Cの要求を拒むことができる

 

・Cが「所有権移転登記」をした場合

→Aに家賃の請求をすることができる

 

A→賃借権の登記をしているから出て行かないよ
C→わかりました、所有権移転登記をしたので、土地の使用料は私に払ってください

 

※所有権移転登記は法務局で確認できる 

 

 

 ・賃借権が二重に譲渡されていた場合

 不動産の賃借権が二重に設定された場合の優先関係も、賃借権の登記の先後で決定する

 

 

・賃貸人の地位の移転、主張

 

・賃借人に対抗要件が備わっている時

所有権の移転に伴って、賃貸人の地位は、旧所有者Bから新所有者Cに移転する

 

・賃借人に対抗要件が備わっていない時

賃貸人の地位は、賃借人の承諾なしに、譲渡人Bと譲受人Cの合意により移転させることができる

 

※賃借物を使用させるなどの賃貸人の債務は、所有者なら誰でも履行できるので、賃借人の承諾は不要

 

※賃貸人の地位を賃借人に主張する場合は、新所有者Cは、自身が新たな賃貸人であることを証明するために、所有権の移転登記が必要

(賃貸人の地位を主張するとは、、、賃料を請求するなどの権利の主張)

 

 

賃借権の存続期間

 

1 存続期間を定める場合

賃貸人と賃借人との間で賃貸借の期間を定める時、最長期間は50年

(60年で契約しても、期間50年の賃貸借になる)

 

※改正前は期間20年だったが、社会のニーズにより50年になった

 

民法上、期間を定めた場合は、、、

賃借人は契約に定められた時期に建物の返還をしなければならない

中途解約もできない

(特約がある場合は、返還の時期が延長されたり、中途解約できることもある)

 

 

2 存続期間を定めない場合 

・賃貸借契約は、いつでも、解約申し入れがあれば終了する

・土地の場合は、解約申し入れをして1年経てば終了する

・建物の場合は、解約申し入れをして3ヶ月経てば終了する

 

※賃貸人が「出て行け」と言う場合と、賃借人から「出ていきます」と言う場合、どちらも同じ3ヶ月

 

 

3 黙字の更新

契約期間が終了しても、借り手がそのまま使い続けている場合、賃貸人が何も異議を述べないなら、そのまま更新される

 

 

4 目的物の消失

目的物の全部が滅失して使用できなくなった

→賃貸借契約の場合は、契約は終了する

 

※賃貸借契約は、一定の期間人に物を貸し続ける継続的な契約

※目的物を貸すことができない状態なのに、そのまま契約関係が続いてしまうと、法律関係が複雑になるため

 

賃借権の譲渡・転貸

 

・賃借権の譲渡

賃借人が、賃借権自体を売買や贈与等によって他人に移転すること

 

(問)賃借権の譲渡

・賃貸人A、賃借人B、賃借人から賃借権を譲り受けたC

BはAの承諾を得て、賃借権をCに譲り渡した

(Bは賃借権をCに売却し、賃借権がBからCに移転した→賃借権の譲渡

Aは賃借権の譲渡後に発生した賃料を、誰に対して請求できるか??

⬇︎

賃借権を譲渡した場合、Bは賃貸借契約の関係から離脱したことになる

AとCの間で、新たに賃貸借契約が発生する

つまり、譲渡後に発生した賃料などは、AはCに対して請求することになる

 

 

・賃借権の転貸

賃借人が、自己の賃借人としての地位を維持したまま、目的物を他人に賃貸すること

(又貸し)

 

 (問)賃借権の転貸

・賃貸人A、賃借人/転貸人B、転借人C

BはA所有の家を賃借している

BはAの承諾を得て、適法にその家をCに転貸した

この場合のA、B、Cの法律関係はどのようになるか??

⬇︎

・BとCとの間で新たに賃貸借の契約が結ばれる→転貸借

 BC間の転貸借では、Bは転貸人、Cは転借人

 

・転貸借の関係がある場合でも、BとAとの賃貸借関係は継続する

 依然としてAは賃貸人、Bは賃借人のまま

 

※転貸借の場合はBは契約関係から離脱しない(賃借権の譲渡との違い)

 

 

※賃借権の譲渡も転貸も、 賃貸人の承諾を得なければ譲渡・転貸をすることはできない

民法612条1項)

 

転貸借の効果

 

・承諾のある転貸借の場合、転借人のCは、賃貸人のAに対して、転貸人Bの債務の範囲を限度として、転貸借に基づく債務を直接に履行する義務を負う

 

(例) 

賃貸人A、賃借人/転貸人B、転借人C

賃貸人AはBに7万円で家を貸している

BはCにその家を10万円で転貸した(転借人Bと転貸人Cの関係)

⬇︎

賃貸人Aは直接、転借人Cに対して賃料を請求できる

金額はAB間の賃料とBC間の賃料の、安い方が限度額となるため、AがCに請求できる賃料は7万円となる

AとCには直接の契約関係はないが、転貸によってAの財産が危険に晒される可能性があることから、Aの利益を守るために認められている

 

 

・賃借人/転貸人Bの債務不履行により、AB間の契約が解除された場合、Cは転借権をAに対抗できないため、AはCを追い出すことができる

 

転借人Cの権利は、賃借人/転貸人Bの権利を基礎としている

Bの立場が消える以上、CはAとの関係において不法占拠と同じ立場になる

 

・賃貸人Aが、賃借人/転貸人Bの賃料不払いを理由に賃貸借契約を解除する場合、賃貸人は賃借人に対して催告すれば足りる

 

転借人に対して通知をする必要はない

賃借人に代わって賃料を支払う機会を転借人に与える必要もない

 

 

・賃貸人Aと賃借人Bの間で、賃貸借契約を合意解除した場合、賃貸人Aは、原則として、転借人Cを追い出すことはできない

 

AとBの関係によって、転借人Cの「目的物の使用収益」の利益が害されることが無いように、これが定められている

 

(問)正誤

AはBに対して甲建物を月20万円で賃貸し、

BはAの承諾を得た上で、甲建物の一部を、Cに対して月10万円で転貸している

この場合、賃貸人AがAB間の賃貸借契約を賃料不払いを理由に解除する場合は、

転借人Cに通知して賃料をBに代わって支払う機会を与えなければならない

⬇︎

(誤)

賃貸人は賃借人に対して催告をすれば足り、転借人に対して通知をする必要も、賃料を支払う機会を与える必要も無い

 

無断譲渡・無断転貸の禁止

 

賃貸人A、賃借人/転貸人B、転借人C

 

・BがCに無断譲渡、無断転貸をして使わせた場合

賃貸人Aは、原則として、賃貸借契約を解除することができる 

(賃貸人と賃借人の信頼関係が失われるため)

 

※信頼関係が失われない特別な事情がある場合は、解除はできない 

  

敷金

 

敷金とは、、、

・賃借人の賃貸人に対する金銭債務(賃料)を担保するために、賃借人から賃貸人に対して交付される金銭のこと 

 

・賃借人に賃料の不払い等があった際の、賃貸人の担保となる

 

・契約が終了し、賃借人が建物を明け渡すときは、未払い賃料等を控除した残額について、賃借人の敷金返還請求が発生する

 

・賃借人が敷金返還請求をするためには、まず建物を明け渡さなければならない

(明け渡しが先、敷金の返還は後)

(明け渡しと敷金の返還は同時履行の関係とはならない)

 

・敷金は賃貸人にとっての担保のため、賃借人は賃貸人に対して、敷金を延滞賃料などの弁済に充てるよう請求することはできない

  

賃貸人が変更した場合

賃貸人A、賃借人B、新賃貸人C

 

AB間の賃貸借契約締結に際し、BはAに敷金を差し入れた

その後、AB間の賃貸借契中に、AはCに家を譲渡し、Cが新たな賃貸人となった

??Bは賃貸契約終了後、AとCのどちらに対して敷金返還請求をすればいいか??

⬇︎

Cに対して請求する

敷金返還債務は、Aに対する未払い賃料等を控除した残額について、AからCに移転する 

※敷金は賃貸人の担保のため、賃貸人の地位が移転する場合は、担保も合わせて移転する方が効率的

 

賃借人が変更した場合

賃貸人A、賃借人B、新賃借人C 

 

AB間の賃貸借契約締結に際し、BはAに敷金を差し入れた

その後、AB間の賃貸借契中に、BはAの承諾を得て、賃借権をCに譲渡した

??この時、敷金に関する権利・義務は、新賃借人Cに承継されるか??

 ⬇︎

原則として、敷金関係はCに移転しない 

敷金を受け取っているAは、敷金の額からAに対する未払い賃料等を控除した残額を、Bに対して返還する 

 

 

賃貸借と使用貸借の相違点

 

・ 賃貸借

性質

有償、諾成契約

 

目的物の修繕義務

賃貸人には原則として修繕義務がある

 

費用の負担

賃貸人は賃借人に対して費用の償還を請求できる

必要費→直ちに請求できる

有益費→終了時に請求できる

 

貸主の担保責任等

売買の契約不適合(売主の担保責任)と同じ規定が準用される

 

対抗要件

賃借権の登記等

 

契約の終了

期間を定めた場合→期間満了時に終了

期間を定めなかった場合→各当事者はいつでも解約申し入れができる

目的物の全部滅失→契約は解除となる

債務不履行の場合賃貸借契約は解除される

 

借主の死亡

賃借権は相続人に相続される

 

 

 

・ 使用貸借

性質

無償、諾成契約

 

目的物の修繕義務

貸主に修繕義務は無い

 

費用の負担

借主は通常の必要費を負担しなければならない

 

貸主の担保責任等

使用貸借と同じ無償契約である贈与契約の規定(引き渡し義務)が準用される

 

対抗要件

なし

 

契約の終了

・期間を定めた場合

期間満了時に終了

 

・期間を定めなかった場合

※借主側は、いつでも解除できる

 

(1)使用・収益の目的を定めた時

①その目的に従って使用・収益が終わった時に終了する

②その目的に従い借主が使用・収益に足りる期間を経過した時は、貸主は解除できる

 

(2)使用・収益の目的を定めなかった場合

貸主はいつでも解除できる

 

借主の死亡

使用貸借契約は終了する