いおちゃんの宅建٩( ᐛ )و

自分の勉強用ブログ 間違ってるところがあるかもしれませんのであしからず

民法等1−4 代理 ※頻出

【代理】

○代理とは

宅地建物取引業者が売買取引、交換取引、賃貸借取引において、売主または貸主の代理人や買主または借主の代理人となって活動し、取引きを成立させる仕組み

宅地や建物を売買しようとするとき、代理を依頼された宅建業者には契約を締結する権限が与えられる

 

・土地を持っていて、それを売りたいAさん(本人)

  ⬇︎ AはBに代理権を与えて土地を売ってもらう

・本人Aさんから代理権を与えられたBさん(代理人

  ⬇︎ BはCに対して代理行為をする(顕名+意思表示)

・土地を買いたいと思っているCさん(相手方)

 

※代理の効果はAさんに生じる

代理人のBさんが契約した→本人Aさんが契約したことになる

 

○代理を有効に行うには

①代理権があること

顕名をした上で意思表示(代理行為)をすること

この2つがないと、BはAさんの代理をしたことにならない

(代理の効果がAさんに帰属しない)

・代理権

本人が行うことを、他人に頼んで行ってもらうこと。 本人は代理人に代理権を授与し、代理人がその権限の範囲内で本人のために代理行為(契約)を行う。 代理人が行った契約の効果は本人に帰属する。

 

顕名

代理人Bが「本人Aのために代理行為を行なう」ことを相手方Cに示すことを顕名という

例えば、契約を締結する場合に「Aの代理人であるB」として署名することが顕名に該当する 顕名とは「名をあらわす」という意味

※この顕名が無ければ、相手方Cは自分の契約する相手は目の前のBだと思ってしまうので、その場合の契約の効果は本人Aには帰属せず、代理人Bが自分で自分自身のために契約したものと扱われる(相手がたCが善意無過失)

※例外として、相手方Cが、BがAの代理人でAのために契約すると知っていた場合、知り得る状態にあった場合は、行為の効果は本人Aに帰属する(相手方Cが悪意/有過失)

 

・代理行為

本人になり代わって行う意思表示、および、本人の代わりに受け取る意思表示

基本的に、代理人=本人として行動し、またみなされる

 

 

○任意代理の場合の代理行為の瑕疵

瑕疵(かし)

「きず」の意味

 

欠缺(けんけつ)

主に法令や法学において、ある要素が欠けていることを表す際に用いられる言葉

(意思の欠缺、意思能力の欠缺、登記の欠缺、訴訟条件の欠缺)

 

 

??代理行為の瑕疵ってどんな場合??

(例1)

代理人Bが冗談で「取引をします」と意思表示をした場合

この代理人の意思表示には意思の欠缺(この場合は心裡留保をしたこと)がある

※この代理行為には瑕疵があると言える

 

(例2)

本人Aの代理人Bが、Cの強迫によってCと土地の売買契約を結んだ場合

強迫されたて契約したことが瑕疵

 

??BとCが結んだ契約は取消しできるか??

??その取消しは誰ができるか??

    ⬇︎結論

強迫による契約は取消しできる

この取消しは本人Aができる

 

(理由)

・強迫されたかどうかや、善意か悪意かについては代理人Bを基準に考える

・ここであった強迫や悪意や善意の結果の代理人Bの行為は、全て本人Aに帰属することになる

・つまり、本人Aが意思表示をしたという意味になるので、取消しも本人Aができる

 

(例3)

相手方Dの家を買いたい本人A/代理人B/家を持っている相手方D/家の本当の持ち主E    

本人Aは相手方Dの家の購入を、代理人Bに依頼した

代理人Bは相手方Dと売買契約を結び、登記をDからAに移転した

しかし実はこの家は、Eが債権者の差し押さえを免れるために、Dと通謀してEからDに仮装譲渡したものだった

 

??この場合、代理人Bがこのことについて善意(仮装譲渡だと知らない)でも、本人Aが悪意の(仮装譲渡だと知っていた)場合、本人Aはこの家を取得できるか??

     ⬇︎結論

本人Aは、この家を取得することはできない

 

(理由)

※本人AはDとEの通謀、虚偽表示について知っていた

※本人Aは代理人Bの行動をコントロールできる立場にあるので、契約を止めさせるとができた

→つまり本人A指示による「特定の法律行為の委託」があるときは、本人Aが悪意or有過失ならば、たとえ代理人Bが善意だったとしても、善意であることを主張できない

 

任意代理の場合の代理行為の瑕疵について、全ての例に共通することは、、、

・任意代理権は本人Aの意思に基づいて考えられるので、本人Aの感様(善意/悪意など)が

 影響する

・相手方が心裡留保をしたかどうか、強迫したどうか、善意か悪意かなど、

 その事実の有無は、代理人Bに基づいて決するのが原則

 

 

○代理の種類と権限の範囲 任意代理/法定代理

 

・任意代理

任意代理とは、本人が自らの意思で、他人に代理権を与えること

「私の代わりに売買契約をしておいて」といって、委任状(代理権を与えるための書面)を渡して代わりに契約をしてもらうこと

この時「代わりに売買契約をした人」が任意代理人(単に代理人ともいう)

 

任意代理の権限の範囲

本人から与えられた代理権によって、その権限の範囲が決まる

権限の範囲が決められていない代理人ができることは、保存行為のみ

(物や権利の性質いを変えない範囲での利用・改良行為のみ)

 

・法定代理

 法律で定められた人が、本人の代理をする制度

例えば、未成年者の親(親権者)などで、法定代理人という

 

法定代理の権限の範囲

民法等の法律によって、その代理権の範囲が決まる

 

 

制限行為能力者代理人の場合の行為能力

 

??制限行為能力者代理人になれるのか??

・任意代理の場合

本人Aが納得して代理権を与えているので制限行為能力者代理人になれる

未成年者でも精神疾患があっても(成年被後見人でも)民法上は問題ない

その代理人が不利な契約をしても、制限行為能力者であることを理由に取消はできない

・法定代理の場合

制限行為能力者法定代理人になることについて制限はない

(実際にはあまりなることは無い)

 

??本人Aは、Bが未成年者であることを理由に、この売買契約を取消できるか??

本人A      未成年者B(Aの代理人) 未成年者Bの法定代理人  相手方C

・本人Aが未成年者Bに代理権を与えて、本人A所有の土地の売却を依頼した

・未成年者Bは法定代理人の同意を得ずに相手方Cとの間で売買契約を締結した

・この契約は本人Aにとって不利なものとなってしまった

 ⬇︎取り消しできない

※未成年者が単独で契約をした際に取消が認められるのは、未成年者を保護するため

※代理でした行為の効果は本人Aに帰属(本人が契約をした)するので、代理人が未成年者であることは、取り消しの理由にならない

法定代理人の同意を得ていなくても、それを理由に取り消すことはできない

 

 

??本人Aが制限行為能力者で、その法定代理人Bも制限行為能力者だった場合はどうなるか??

⬇︎例外として取り消すことができる

(理由)

法定代理人の場合は任意代理(本人が委任状を渡して代理をお願いするタイプ)と異なり、本人が選んだわけではなく、法律の規定により代理人とされている

さらに、その法定代理人制限行為能力者であったら、本人Aが好きに選んだわけではなく、しかも代理人Bも判断能力がない状態にある

この場合は本人Aを保護するために、例外として取消が認められている

 

 

○代理権の消滅

任意代理の場合

 

・本人死亡

→代理権は消滅する

(本人の能力の補充の為に代理人がいる、本人が死亡するとその必要はない)

 ※例外→不動産登記申請の代理権は消滅しない

 

・本人が破産手続き開始の決定を受けた

→代理権は消滅する 任意のみ

(任意代理は信頼関係で成立しているものなので、破産するような人は信用できない)

 

・本人が後見開始の審判を受けた

→代理権は消滅しない

制限行為能力者になったらなおさら、重要行為のサポートが必要になるから)

 

・本人が委任契約を解除した

→代理権は消滅する

(任意代理は信頼関係で成立しているものなので、特に理由なくいつでもお互いに解除することができる)

 

 

代理人死亡

→代理権は消滅する

 

代理人が破産手続き開始の決定を受けた

→代理権は消滅する

(任意代理は信頼関係で成立しているものなので、破産するような人は信用できない)

 

代理人が後見開始の審判を受けた

代理権は消滅する

(任意代理は信頼関係で成立しているものなので、行為能力者だから選任した代理人が、制限行為能力者になってしまったら、重要な契約などを代理させるのは不安だから)

 

代理人が委任契約を解除した

→代理権は消滅する

(任意代理は信頼関係で成立しているものなので、特に理由なくいつでもお互いに解除することができる)

 

法定代理の場合

・本人死亡

→代理権は消滅する

(本人の能力の補充の為に代理人がいる、本人が死亡すれば代理権は必要はない)

  ※例外→不動産登記申請の代理権は消滅しない

 

・本人が破産手続き開始の決定を受けた

→代理権は消滅しない

 (本人は破産で困った状態にあるので、重要行為をサポートしてあげる必要がある)

 

・本人が後見開始の審判を受けた

→代理権は消滅しない

制限行為能力者になったらなおさら、重要行為のサポートが必要になるから)

 

・本人が委任契約を解除した

→代理権は消滅しない

 

 

代理人死亡

→代理権は消滅する

 

代理人がが破産手続き開始の決定を受けた

→代理権は消滅する

 

代理人が後見開始の審判を受けた

代理権は消滅する

 

代理人が委任契約を解除した

→代理権は消滅しない

 

 

※任意代理も法定代理も、代理人後見開始の審判を受けたら代理権は消滅する

⬇︎なぜか⬇︎

後見開始の審判を受ける→制限行為能力者になるということ

制限行為能力者でも代理人になることはできるが、選任した当時は行為能力者だったから選んだのであって、制限行為能力者であれば、そもそも代理人に選んでいなかった可能性が高い

行為能力者を代理人にしていたのに、その人が行為能力者でなくなったってしまったら困ることが出てくる

そこで、代理人をしていた人が後見開始の審判を受けたら、代理権は消滅することになっている

 

※本人の地位や代理人の地位は相続しない

 

 

 

【自己契約】

本人A       Aの代理人B

・土地を持っていて、それを売りたいAさん(本人)

  ⬇︎ 

・本人Aさんから代理権を与えられたBさん(代理人

  ⬇︎ 

・Bはその土地が気に入ったので、自分で自分の代理をして、その土地を買うことにした

 

Aの代理人Bが、自分の代理を自分でして、本人Aと契約をすることが自己契約

 

※Bは買主(Aにとっての相手方)であると同時に、本人Aの代理人でもある

この状態では、代理人Bは代理人の立場を利用してAの土地を安値で自分に売るなど不正行為をする可能性がある

 

(原則)

・自己契約は許されないので、Aさん本人に効果が帰属しない

・自己契約を行ったときはBには代理権がない(無権代理行為)とみなされる

 

(例外)

・本人AがBの自己契約にあらかじめ許諾を与えている場合は自己契約であっても有効

・債務の履行(決まっている義務を果たすだけで、代理人Bに裁量の余地がない場合)は自己契約でも有効

 

【双方代理】

本人A     代理人B  (AとC両方の代理をする)    相手方C

保有している土地を売りたいAさん(本人)

  ⬇︎ 代理権 Aの代わりに家を売ってください

・本人Aと相手方Cから代理権を与えられたBさん(代理人

  ⬆︎代理権 Cの代わりに家を買ってきてください

・家を買いたいCさん(相手方)

 

代理人Bが契約当事者双方の代理人になって契約をすることが双方代理

 

※この状態では代理人Bの気持ち一つで、AかCのどちらかが不利益を受けるおそれがある

 

(原則)

・双方代理は許されない

・双方代理を行ったときはBには代理権がない(無権代理行為)とみなされる

 

(例外)

・本人Aと相手方Cがあらかじめ許諾を与えている場合は双方代理であっても有効

・登記の申請などの債務の履行(決まっている義務を果たすだけで、代理人Bに裁量の余地がない場合)は双方代理でも有効

※登記は売買契約が成立した後に行うため、買主・売主どちらかの不利益となることは通常考えにくいから

 

利益相反行為

本人A       Aの代理人B

代理人にとっては利益となるが、本人にとっては不利益となるというように、代理人と本人との利益が相反する行為のこと

 

(例)

代理人Bは本人Aの包括的な代理権を持っている

代理人Bは、本人Aを自分(代理人B)の債務の保証人にしようと考えた

代理人Bは本人Aを代理し、Bの債権者Xとの間で本人Aが代理人Bの保証人になる契約をした

 このような契約は無効となる

※包括的な代理権を持っているからと言って、本人Aの不利益になるような契約を勝手にすることは許されない

 

(原則)

利益相反行為は許されない

利益相反行為を行ったときはBには代理権がない(無権代理行為)とみなされる

 

(例外)

・本人Aがあらかじめ許諾を与えている場合は利益相反行為であっても有効 

 

【復代理】

代理人Bが、ある者をさらに代理人として選任し、その代理権の範囲内の行為を行わせること

代理人により選任された代理人代理人

代理人Cは代理人代理人ではなく、あくまで本人Aの代理人として扱われる

代理人Cによる行為の効果も、直ちに本人Aに帰属する

 

??復代理人Cを選任した場合の代理人Bの責任は??

任意代理か法定代理かで異なる

 

・任意代理の場合

原則:代理人Bは、選任・監督上の責任を負う

例外:本人Aが復代理を指名した場合は、代理人Bはさらに責任が軽減される

 

(理由)

・任意代理の場合、原則として復代理人自由に選任することはできない

・例外として、本人Aが許諾した場合と、やむを得ない事由が発生した場合は、

 復代理人を選任することができる

代理人Bが復代理を選ぶわけではないので、全部の責任を代理人Bが負うのは不公平だから、

 代理人Bの責任は軽減される

 

〝疑問1〟

本人Aは自身で指名した代理人Cが、復代理人として不適任不誠実だと知りながら、それを代理人Bに通知しなかった。この時、代理人Bは選任、監督上の責任を負うか??

⬇︎答え⬇︎

代理人Bが復代理人Cが不適任又は不誠実であることを知らなければ、選任、監督の責任は負わないとされる

任意代理では、代理人Bが復代理人Cを自分で自由に選任できない反面、復代理人Cが失敗した場合の責任も軽いものとなっている

 

〝疑問2〟

代理人Bが、本人Aの指名に基づき代理人Cを選任したが、復代理人Cは不適任不誠実だった。代理人Bが復代理人Cの不適任不誠実を知らなかった場合、代理人Bは本人Aに対して責任を負うか??

⬇︎答え⬇︎

本人Aの指名に従って復代理人を選任した時は、代理人Bはその選任及び監督について、本人Aに対して責任を負わない(本人Aの責任となる)

※ただし、代理人Bが、復代理人Cが不適任又は不誠実であることを知りながら、その旨を本人Aに通知する又は復代理人Cを解任することを怠ったときは、この限りではない(代理人Bは責任を負う)

 

〝疑問3〟

代理人Bが、本人Aの許諾に基づき代理人Cを選任したが、復代理人Cは不適任不誠実だった。代理人Bが復代理人Cの不適任不誠実を見抜けなかったことに過失があった場合代理人Bは本人Aに対して責任を負うか??

⬇︎答え⬇︎

本人Aの許諾を得て復代理人Cを選任した場合、過失の有無は関係なく、原則として代理人Bが責任を負う

 

委任による代理人(任意代理の復代理の選任)は、本人Aの許諾を得たとき又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない

そして代理人Bは、復代理人Cを選任したときは、その選任及び監督について、本人Aに対して責任を負うのが原則

 

 

・法定代理の場合

原則:代理人Bは全責任を負う

例外:やむを得ない事由により選任した場合、代理人Bは選任監督につき責任を負えば

   足りる

 

(理由)

法定代理人は、自由に選任することができる

代理人Bは復代理人Cを自分で自由に選んだから、復代理人Cの行為には責任がある

・ただし、やむおえない事由があって選んだ場合は、選任監督責任のみに軽減される

 

 

??復代理人を選任した時の代理人との法律関係は??

・復代理人Cは代理人Bの代理ではなく、本人Aの代理

・復代理人Cが締結した契約の効果は、本人Aに帰属する

・復代理人Cの代理権の範囲は、代理人Bの代理権と同じ範囲

代理人Bの代理権が消滅すれば、復代理人の代理権も消滅する

代理人Bの代理権は復代理人Cを選んでも消滅しない

(本来であれば代理人Bが自分で仕事ができれば一番良いので、Bの代理権は継続させておく)

  

無権代理

・原則

代理権がないのに代理行為を行ったり、代理権限を超えて代理行為を行ったりすること

この場合、無権代理人の行為は本人に帰属しない(効果が及ばない)のが原則

つまり、AB間の契約は無効となる可能性がある

 

・例外

代理人Bが無権代理行為を行なった場合、その契約の効果は本人Aには帰属しないのが原則

しかし、代理人Bが締結した内容が本人Aにとって有利なものだった場合、その無権代理を有効にしたいと考えるケースもある

⬇︎

この場合本人Aは追認をすることができる

※追認

取り消すことができる行為をもう取り消さないものとして、契約を確定的に有効なものとすること

本人Aが代理人Bの無権代理行為を追認すると、その追認の効果は、その契約行為をした時に遡って生じる

 

○相手方を保護するための制度

催告権

取消権

無権代理人への責任追及権

表見代理

 

本人A     本人Aの代理人を語ったB     相手方C

Bは本人Aの代理人と称して、相手方Cとの間で本人A所有のマンションの売買契約を締結した

しかしBは、何らの代理権の有していなかった

 

??この場合、相手方のCは予期しない状況に陥り、また本人Aの追認がないとAC間に契約の効果は帰属しないため、相手方Cは不安定な立場に置かれている。相手方Cは自分の法的な立場を守るために、どんなことができるか??

 

⬇︎相手方Cができる4つの手段⬇︎

 

・催告権

相手方Cは本人Aに対して、相当の期間を定めて、「追認してください」と確答を促すことができる制度のこと

相手方Cが悪意の(Bが無権代理を行なったと知っていた)場合でも、この催告権は認められている

 

??本人Aがこの催告を無視して、期間内に返事をしなかったらどうなるか??

⬇︎

本人Aは追認をしなかった(追認を拒絶した)ものとみなされる

追認拒絶をした場合は、その契約の効果は本人Aには帰属しない

 

(理由)

無権代理人Bは本人Aの知らないところで勝手に動いている

本人Aは無権代理行為が行われている事実を知らない

相手方Cに急に催告されても何のことだかわからない

そんな状況で、相手方Cの催告に対応しなかっただけで、追認したことになるのは理不尽

本人Aの状況を考慮し、追認を放置した場合は「追認を拒絶した=契約を拒否した」とするのが妥当と考えられている

本人Aは、相手方Cにマンションを売らなくて良い

 

・取消権

相手方Cが善意の場合(Bが無権代理人であると知らなかった)のみ

・本人Aが追認するまでは、契約を取り消すことができる

 

→相手方が善意以外の場合は取り消しはできない

 →本人Aが追認をしたら、その契約は有効になるので、取り消しはできなくなる

 

(理由)

追認は、相手方Cが本人Aに催告してから、一定期間を経ないとわからない

相手方Cは、本人Aが追認するかどうかが判明するまで契約が無効か有効かわからない

不安定な状態にある相手方Cを守るため、民法では、相手方Cは無権代理による契約を取り消すことができるという規定を設けている

 

無権代理人への責任追及権
 相手方Cは無権代理をしたBに対して、原則として「責任追求」できる
①損害賠償請求
②履行の請求
どちらかを選択して請求することができる
 
 ※Bがこの責任追求を逃れることができるケース
・Bが自己の代理権を証明した時
・本人Aの追認を得た時
・Bが代理権を有しないことを相手方Cが知っていた時(悪意)
・Bが代理権を有しないことを相手方Cが過失によって知らなかった時(有過失)
(この場合、Bが自分に代理権がないことをわかっていた時は、Bは責任を負う)
・Bが制限行為能力者であった時

 

表見代理
 Bに代理権がなかった場合でも本人Aに効果が生じること
 

原則:代理権がない→無権代理→本人に効果は生じない

例外:本人に落ち度があり、かつ、相手が何も知らず落ち度も無ければ、相手方を保護することが望ましくなるので、表見代理が認められる

 
表見代理と認められるには、、、
  1. 本人Aに落ち度があること
  2. 相手方Cが保護に値すること=何も知らず、落ち度がないこと(善意・無過失)
 
表見代理と認められる5つのパターン

①権限外の行為
代理権の範囲を超えた場合
(本人Aは100万円の範囲で頼んだのに、Bが200万円も使ってしまった)

②代理権の消滅後
以前には代理権があった場合
代理人Bをクビにしたが、本人Aが委任状をBに持たせたまま放置していた)

③代理権授与の表示
実際には代理権を与えていなかったのに、本人Aが与えたと表示した場合
代理人でもないのに、本人AがBに委任状を渡した)

④代理権授与の表示+権限外の行為 
代理権授与の表示を受けた後に、代理権の範囲を超えて代理行為をした場合
(Bは代理人でもないのに本人AがBに委任状を渡し、Bがその代理権を超えて代理行為をした)
 
⑤代理権の消滅後+権限外の行為
代理権が消滅した後に、代理権の範囲を超えて、代理行為をした場合
代理人Bをクビにしたが、本人Aが委任状をBに持たせたまま放置しており、Bが代理権の範囲を超えて代理行為をした)
 
※この5パターンに当てはまり、かつ、相手方Cが善意/無過失の場合は表見代理となる
無権代理に関する重要判例
 
表見代理が成立する場合に、相手方Cは表見代理を主張せずに、無権代理人Bに対して責任を追求することができるか?
⬇︎
認めても良い
 
??どういうこと??
・相手方Cは無権代理行為をしたBに責任を取らせたい
・Bは責任を逃れたい
表見代理が認められれば、責任は本人Aに及ぶ
・Bに表見代理を主張させないために、表見代理を争点とせずに、
 Bの行為に対して責任追求(損害賠償か履行の請求)をすることができる
 
 
無権代理人Bが本人Aの息子で、Bが無権代理行為をした後に、本人AはそのBの無権代理行為を知らずに亡くなった。Bが単独で本人Aを相続した場合、Bは本人Aが持っていた追認拒絶権を行使して、マンションの引き渡しを拒むことができるか?
⬇︎
無権代理人Bは追認を拒絶することはできない
 
??なぜ??
・Bは無権代理行為をした張本人
・相続をしたからといって、Bが追認拒絶をすることは、相手方Cには不公平
・Bは自分がした行為の結果に責任をとるのが公平
・Bは無権代理による契約の効力を否定することはできない